ベトナム国籍の配偶者を日本へ呼び寄せる場合、まず日本側で在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行い、その証明書を使って在ベトナム日本国大使館・領事館でビザ(査証)を取得するのが基本的な流れです。本記事では、行政書士の立場から「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請に必要な書類、ベトナム本国で集める書類、翻訳・領事認証の扱い、そして不許可を防ぐための注意点を、出入国在留管理庁の公開情報に基づいて整理します。なお国際結婚そのものの婚姻手続が完了していることが前提となります。
目次
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)とは
「配偶者ビザ」とは正式には在留資格「日本人の配偶者等」を指す通称です。日本人と法律上有効に婚姻したベトナム国籍の方が、日本人の配偶者として日本に在留するための在留資格です。就労に制限がなく、後に永住許可を申請する際の居住要件が緩和される点も特徴です。
海外(ベトナム)在住の配偶者を呼び寄せる場合は、日本に住む日本人配偶者が代理人となり、住所地を管轄する地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。交付された認定証明書を本人へ送り、ベトナムでビザ申請・来日という順序になります。当事務所は、この在留資格認定証明書交付申請書および理由書・質問書等の作成と申請取次を職務として行います。
日本側で準備する必要書類
出入国在留管理庁が示す「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請における主な提出書類は次のとおりです。日本で発行される証明書は、いずれも発行日から3か月以内のものを用意します。
- 在留資格認定証明書交付申請書(1通)。出入国在留管理庁の様式を使用します。
- 写真(1葉)。指定の規格を満たした無帽・無背景のもの。アプリによる加工は不可です。
- 日本人配偶者の戸籍謄本(1通)。婚姻の事実が記載されているもの。記載前の場合は婚姻届出受理証明書を併せて提出します。
- 申請人(ベトナム人配偶者)の結婚証明書(1通)。国籍国であるベトナムの機関が発行したもの。
- 日本人配偶者の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書(1年間の総所得および納税状況が記載されたもの)。預貯金通帳の写しや雇用予定(在職)証明書で補完する場合もあります。
- 日本人配偶者を保証人とする身元保証書(1通)。
- 世帯全員が記載された住民票の写し(1通。マイナンバーは記載のないもの)。
- 質問書(1通)。出会いから婚姻に至る経緯などを記載します。
- スナップ写真(2~3葉)。二人で写っており、容姿がはっきり確認できるもの。アプリ加工は不可です。SNSのやり取りや通話記録などを補足資料として添える場合もあります。
- 簡易書留用の切手を貼付し宛先を明記した返信用封筒(1通)。
これらは標準的な書類であり、夫婦の状況により追加資料を求められることがあります。特に交際の実態を示す資料は審査の重要なポイントになるため、丁寧に準備します。
ベトナム本国で集める書類|日本先行・ベトナム先行で変わるポイント
ベトナム国籍の方の場合、本国側の身分関係書類が必要になります。どこまでの書類が求められるかは婚姻をどの方式(日本先行か、ベトナム先行か)で成立させたかによって変わりますが、実務上よく必要になるのは次の書類です。
- 婚姻登録証明書(結婚証明書):ベトナム方式で婚姻した場合、本籍地を管轄するベトナムの人民委員会が発行する婚姻登録の証明書です。
- 出生証明書:申請人の身分関係を証する書類として求められることがあります。
- 婚姻状況証明書(独身証明書):婚姻成立前に取得した、独身であることの証明です。
- 婚姻要件具備証明書:婚姻手続の段階で取得したもの。日本先行の場合はベトナム人側が駐日ベトナム大使館等で取得します。ベトナム先行の場合は、日本人側が在ベトナム日本国大使館・総領事館で取得する方法と日本国内の本籍地役場で取得する方法がありますが、日本国内で取得した場合はベトナム政府側の認証・翻訳が必要となる場合があります。
ベトナム語で作成された書類には、日本語の翻訳文を必ず添付します。翻訳者の氏名を明らかにする必要があり、翻訳の正確性は審査に影響します。また、婚姻手続の過程ではベトナム側の機関での領事認証が求められる場面があります。書類の有効期限が短いものもあるため、取得の順番とタイミングには注意が必要です。本国書類の収集や翻訳は時間がかかりやすい部分であり、当事務所では翻訳対応を含めたサポートを行っています。
申請の流れ
海外在住のベトナム人配偶者を呼び寄せる場合、おおむね次の順序で進みます。
- 1. 婚姻の成立:日本・ベトナム双方で法律上有効な婚姻を完成させます(一方の方式で成立後、他方へ届出)。
- 2. 書類収集:日本側書類と、ベトナム本国書類(翻訳付き)をそろえます。
- 3. 在留資格認定証明書交付申請:日本人配偶者の住所地を管轄する地方出入国在留管理局へ提出します。
- 4. 認定証明書の交付・送付:交付された証明書をベトナムの配偶者へ送ります。なお、オンライン申請の場合は電子版(メールで送付される在留資格認定証明書)が交付されることがあり、その場合は両面を印刷した写しでビザ申請ができます。
- 5. ビザ申請・来日:住所地を管轄する在ベトナム日本国大使館・総領事館または指定の代理申請機関でビザを申請し、上陸します。
認定証明書には有効期間(交付日から原則3か月)があり、原則として交付日から3か月以内に査証申請を進め、上陸申請を行う必要がある点に留意してください。
不許可を防ぐための注意点
ベトナム人配偶者の申請では、婚姻の真実性(偽装結婚でないこと)と生計の安定性が特に丁寧に審査される傾向があります。次の点に注意します。
- 交際の経緯を具体的に:出会いから結婚までの経緯、来日・渡航の記録、連絡のやり取りを質問書や添付資料で一貫性をもって示します。
- 年齢差や交際期間の短さ:それ自体が不許可理由ではありませんが、合理的な説明資料を添えると安心です。
- 生計を立てる見込み:収入・預貯金など、日本での生活を維持できることを資料で示します。
- 書類の整合性:氏名のローマ字表記、生年月日、婚姻日などが日本側書類とベトナム本国書類で一致しているか確認します。表記ゆれは照会の原因になります。
なお、相続・離婚や金銭請求など他の法分野が絡む場合は、提携の弁護士・税理士・司法書士と連携してご案内します。配偶者ビザの申請条件・必要書類・不許可事例について詳しくは配偶者ビザ完全ガイドを、より詳しい在留資格の全体像は在留資格・ビザ申請のページもご参照ください。
当事務所のサポートとご相談
ベトナム人配偶者の配偶者ビザ申請は、本国書類の収集・翻訳や交際実態の立証など、準備に手間がかかります。当事務所では国際結婚サポートとして、申請書・理由書・質問書の作成や申請取次に対応するスタンダードプラン(89,800円・税込)、これに公的書類の取得代行・本国書類の日本語翻訳・日本のアポスティーユ代行・婚姻届出に必要な書類のご案内を加えたフルサポートプラン(162,800円・税込)をご用意しています。状況に応じて最適な進め方をご提案します。まずは在留資格・ビザ申請のご相談はこちらからお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
ベトナム国籍の方の配偶者ビザ(日本人の配偶者等)は、まず日本で在留資格認定証明書交付申請を行い、交付後にベトナムでビザを取得して来日する流れです。日本側では申請書・戸籍謄本・課税/納税証明書・身元保証書・質問書・スナップ写真などを、ベトナム側では婚姻登録証明書・出生証明書・独身証明書などを翻訳文付きで準備します。日本で発行される書類は発行日から3か月以内、本国書類は翻訳と領事認証のタイミングに注意し、婚姻の真実性と生計の安定を具体的な資料で示すことが許可への近道です。
ベトナム人配偶者ビザに関するよくある質問
Q:ベトナムで先に結婚しましたが、日本への届出も必要ですか。
A:はい。ベトナム方式で婚姻が成立した場合でも、日本側へ報告的な婚姻の届出を行い、戸籍に婚姻の事実を反映させる必要があります。双方の国で有効な婚姻が成立していることが配偶者ビザの前提です。
Q:ベトナムの書類はすべて翻訳が必要ですか。
A:ベトナム語で作成された書類には日本語の翻訳文を添付します。翻訳者を明らかにする必要があり、氏名・生年月日・婚姻日などが日本側書類と一致しているかを必ず確認してください。
Q:交際期間が短いと不許可になりますか。
A:交際期間の短さだけで不許可になるわけではありません。出会いから結婚までの経緯や連絡記録、行き来の事実などを質問書や資料で具体的に示すことで、婚姻の真実性を説明できます。
Q:在留資格認定証明書を取得すれば必ず来日できますか。
A:認定証明書はビザ発給の判断を容易にする書類で、最終的なビザ(査証)は在ベトナム日本国大使館・領事館の審査を経て発給されます。証明書には有効期間があるため、期間内に手続を進める必要があります。
Q:必要書類は誰でも同じですか。
A:標準的な書類は共通ですが、収入状況や交際経緯、婚姻の方式によって追加資料を求められることがあります。個別の事情に応じて準備するのが安全です。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。


