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自動車特定整備事業の認証・指定整備工場とは?道路運送車両法第78条・第94条の2、電子制御装置整備を解説

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自動車整備業のうち、自動車の特定整備を業として行う場合は、道路運送車両法第78条に基づき、自動車特定整備事業の種類および事業場ごとに地方運輸局長の認証を受ける必要があります。2020年(令和2年)4月1日施行の改正道路運送車両法により、従来の「分解整備」は「特定整備」に名称が改められ、電子制御装置整備(自動運行装置・カメラ・レーダー・センサー等の整備、いわゆるエーミング)が対象に追加されました。さらに、設備・技術・管理組織等が一定基準を満たす工場は、道路運送車両法第94条の2に基づく指定自動車整備事業(指定整備工場・民間車検場)の指定を受けることができ、工場内で完成検査を行い保安基準適合証を交付できます。本記事では認証要件、整備主任者・自動車検査員の選任、指定工場の追加要件、変更認証/変更届出を実務目線で整理します。

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目次

  1. 自動車特定整備事業とは
  2. 認証工場と指定整備工場の違い
  3. 特定整備の範囲:分解整備と電子制御装置整備
  4. 自動車特定整備事業の認証要件(道路運送車両法第78条)
  5. 整備主任者・整備士資格・整備要員の要件
  6. 指定整備工場(民間車検場)の権限(道路運送車両法第94条の2)
  7. 自動車検査員・検査設備・保安基準適合証の管理
  8. 変更認証・変更届出が必要なケース
  9. 業務範囲の整理
  10. FAQ・まとめ

1. 自動車特定整備事業とは

自動車の特定整備を業として行う場合、事業場ごとに地方運輸局長の認証が必要です(道路運送車両法第78条第1項)。2020年4月1日施行の改正により、従来の「分解整備」は「特定整備」に拡大されました。事業の名称も「自動車分解整備事業」から「自動車特定整備事業」に変更されています。

特定整備に該当しない軽微な整備(オイル交換・タイヤ交換等)のみを行う場合と、エンジン・ブレーキ等の分解整備や電子制御装置整備を行う場合では、必要な手続が異なります。

2. 認証工場と指定整備工場の違い

項目 認証工場 指定整備工場
根拠条文 道路運送車両法第78条 道路運送車両法第94条の2
権限 特定整備を業として行える 認証+工場内で完成検査・保安基準適合証等の交付
車検時 整備後、運輸支局等へ車両持込検査が必要 工場内で完成検査を完結、保安基準適合証等を交付(運輸支局への書類提出・手数料納付・検査標章交付は別途必要)
追加要件 自動車検査員選任、検査設備、工員数・整備士数等の基準

3. 特定整備の範囲:分解整備と電子制御装置整備

特定整備は以下の2つを含みます。

  • (1) 分解整備:原動機・動力伝達装置・走行装置・操縦装置・制動装置・緩衝装置・連結装置を取り外して行う整備・改造(従来の分解整備に相当)
  • (2) 電子制御装置整備:自動運行装置、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープ機能等に関係するカメラ・レーダー・センサー等の電子制御装置の取外し、または作動に影響を及ぼす整備(いわゆるエーミング等)

従来の分解整備に加え、2020年4月以降は電子制御装置整備も特定整備に含まれているため、これらに関係する整備を業として行う場合は、対応する認証の要否を確認します。電子制御装置整備の認証について4年間の経過措置は2024年3月31日で終了しており、現在は本格運用されています。

4. 自動車特定整備事業の認証要件(道路運送車両法第78条)

  • 整備主任者の選任:事業場ごとに自動車整備士の資格を有する整備主任者を選任(電子制御装置整備を行う場合は所定の研修の修了等が必要)
  • 整備要員・有資格者要件:特定整備に従事する従業員数、整備士資格保有者の人数・割合等を満たす
  • 施設要件:屋内作業場・車両置場・部品整備作業場等について、対象車種・事業の種類に応じた面積・構造を満たす
  • 設備要件:対象とする特定整備の種類に応じた作業機械・器具(リフト、ジャッキ、ブレーキテスター、サイドスリップテスター、ヘッドライトテスター、排ガステスター、検査用スキャンツール等。電子制御装置整備を行う場合はエーミングに必要な機器・作業スペース)
  • 帳票・管理体制:点検整備記録簿の備付け・記録管理、作業管理、標識掲示等

5. 整備主任者・整備士資格・整備要員の要件

「主任技術者」は建設業法等の用語であり、自動車整備の分野では「整備主任者」が正しい用語です。整備主任者は自動車整備士の資格を有する者から選任し、整備の実施に関する責任を負います。

必要な整備士の人数・資格(1級・2級・3級)は、認証を受ける事業の種類(普通自動車・小型自動車・軽自動車等)、対象車種、作業場、従業員数、分解整備・電子制御装置整備の範囲により異なります。事業場ごとに整備主任者を選任することが必要です。

6. 指定整備工場(民間車検場)の権限(道路運送車両法第94条の2)

認証工場のうち、設備・技術・管理組織等について一定基準を満たす工場は、道路運送車両法第94条の2に基づく指定を受け、「指定自動車整備事業」(指定整備工場・民間車検場)として運営できます。

指定整備工場の特徴は、整備後に自動車検査員が完成検査を行い、保安基準に適合していると認めた場合に「保安基準適合証」「保安基準適合標章」を交付できる点です。これにより、車両を運輸支局等に持ち込んで検査を受ける必要が原則としてなくなります(ただし、継続検査に関する書類提出、手数料納付、検査標章の交付等の行政手続は別途必要)。

7. 自動車検査員・検査設備・保安基準適合証の管理

自動車検査員の選任要件

指定整備工場では、事業場ごとに自動車検査員を選任します。自動車検査員は、整備主任者として1年(1級自動車整備士は6月)以上の実務経験を有し、地方運輸局長が行う教習を修了した者等、法令上の資格要件を満たす者から選任します。「国家試験合格」ではない点に注意が必要です。

工員数・整備士数の基準

  • 工員4人以上(大型車を取り扱う場合は条件により5人以上
  • うち自動車整備士2人以上かつ工員の3分の1以上

検査設備・完成検査体制

ブレーキテスター、スピードメーターテスター、サイドスリップテスター、ヘッドライトテスター、排ガス測定機器、検査用スキャンツール等、対象車種に応じた検査用機械器具を備え、完成検査場、指定整備記録簿、保安基準適合証等の厳格な管理体制を整える必要があります。

8. 変更認証・変更届出が必要なケース

事業の種類、対象自動車の種類、作業場、設備、整備主任者、事業場所在地、電子制御装置整備の追加等の変更については、内容により変更認証が必要な場合と変更届出で足りる場合があります。変更内容ごとに管轄運輸支局・運輸局へ確認します。

9. 業務範囲の整理

行政書士業務範囲

  • 自動車特定整備事業認証申請の書類作成・提出代理
  • 指定自動車整備事業(指定整備工場)の指定申請
  • 変更認証・変更届出
  • 事業場平面図・設備一覧・整備主任者/自動車検査員関係資料等の作成・整理

業務範囲外(連携先専門家)

  • 整備士・自動車検査員・整備主任者の資格試験・教習は本人受験
  • 施設・設備・検査機器の適合性確認・工場レイアウト・電子制御装置整備の技術的要件は整備機器業者・設計業者・整備事業者・管轄運輸支局と連携
  • 労務管理・社会保険手続は社会保険労務士
  • 税務処理は税理士

10. FAQ|よくあるご質問

Q. 認証と指定の違いは?
A. 認証は、特定整備を業として行うために事業場ごとに受ける道路運送車両法第78条の認証です。指定は、認証工場のうち設備・技術・管理組織等について一定基準を満たす工場が、道路運送車両法第94条の2に基づき受ける指定で、工場内で完成検査を行い、保安基準適合証等を交付できる点が大きな違いです。

Q. 整備士は何人必要ですか?
A. 必要人数は、認証を受ける事業の種類、対象車種、作業場、従業員数、分解整備・電子制御装置整備の範囲により異なります。事業場ごとに整備主任者の選任が必要であり、整備要員数・自動車整備士資格保有者の人数・割合を満たす必要があります。指定整備工場では、これに加えて自動車検査員の選任、工員4人以上(大型車条件付き5人以上)、整備士2人以上かつ工員の3分の1以上が必要です。

Q. 指定整備工場は車検を工場内で完結できますか?
A. 指定整備工場では、整備後に自動車検査員が完成検査を行い、保安基準に適合している場合に保安基準適合証等を交付できます。そのため車両を運輸支局等へ持ち込んで検査を受ける必要は原則としてありません。ただし、継続検査に関する書類提出、手数料納付、検査標章の交付等の行政手続は別途必要です。

Q. 電子制御装置整備とは何ですか?
A. 自動運行装置、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープ機能等に関係するカメラ・レーダー・センサー等の電子制御装置の取外し、または作動に影響を及ぼす整備(いわゆるエーミング等)です。2020年4月の法改正により特定整備の対象に追加されました。これらに関係する整備を業として行う場合は、電子制御装置整備に対応した認証が必要です。

Q. 自動車検査員は国家試験で取得しますか?
A. いいえ。自動車検査員は、整備主任者として1年(1級自動車整備士は6月)以上の実務経験を有し、地方運輸局長が行う教習を修了した者等から選任されます。「国家試験合格」ではなく教習修了が要件です。

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まとめ

自動車整備業のうち特定整備を業として行う場合は、道路運送車両法第78条に基づき自動車特定整備事業の認証を地方運輸局長から受ける必要があります。2020年4月1日施行の改正により、従来の「分解整備」は「特定整備」に名称が改められ、電子制御装置整備(自動運行装置・カメラ・レーダー等のいわゆるエーミング)が対象に追加されました。

認証要件は、整備主任者の選任(自動車整備士の資格を有する者から選任。「主任技術者」ではなく「整備主任者」)、整備要員・整備士資格、屋内作業場・車両置場・部品整備作業場等の施設要件、対象とする特定整備の種類に応じた設備要件(電子制御装置整備を行う場合はエーミング機器等)、点検整備記録簿の備付け等の帳票管理体制です。

認証工場のうち設備・技術・管理組織が一定基準を満たす工場は、道路運送車両法第94条の2に基づく指定自動車整備事業(指定整備工場・民間車検場)の指定を受け、工場内で完成検査を行い保安基準適合証・保安基準適合標章を交付できます。指定の追加要件は、整備主任者として1年(1級は6月)以上の実務経験+地方運輸局教習修了による自動車検査員の選任、工員4人以上(大型車条件付き5人以上)、整備士2人以上かつ工員の3分の1以上、検査用機械器具・完成検査場・指定整備記録簿等の管理体制です。

事業の種類・対象自動車・作業場・設備・整備主任者・事業場所在地・電子制御装置整備の追加等については、変更認証または変更届出が必要となる場合があります。変更内容ごとに管轄運輸支局・運輸局へ確認します。

当事務所では自動車特定整備事業認証申請、指定自動車整備事業の指定申請、変更認証・変更届出の書類作成・提出代理について対応します。整備士・自動車検査員・整備主任者の資格試験・教習は本人受験、施設・設備・検査機器の適合性確認・工場レイアウト・電子制御装置整備の技術的要件は整備機器業者・設計業者と連携、労務管理は社会保険労務士、税務は税理士の業務範囲となります。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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