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高齢者の免許返納後の車の処分|名義変更・売却・廃車の選択肢と手続きを解説

更新: 約11分で読めます

「高齢の親が運転免許を返納したが、家に残った車をどうすべきか」——運転を卒業する高齢者の増加に伴い、使わなくなった自動車の適切な処分方法が問題となります。放置すれば自動車税・車検・自動車保険の負担が続き、廃車手続きや売却のタイミングも逃してしまいかねません。この記事では、免許返納後の車の選択肢(家族への名義変更・売却・廃車)と、それぞれの手続き・税金の精算方法を解説します。

結論として、免許返納後の車の処分は主に(1)家族への名義変更、(2)買取・売却、(3)一時抹消または永久抹消登録(廃車)の3つの選択肢があります。年間走行距離や車の状態、家族の利用ニーズにあわせて選び、自動車税の月割還付・自賠責保険の返戻も忘れずに請求しましょう。

「親が免許返納したので車を処分したいが手続きがわからない」「名義変更・売却・廃車のどれが得か判断できない」とお悩みの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。

放置するとこんなリスクがあります

  • 使わない車にも自動車税・車検費用・自動車保険料が毎年発生(普通車で年間10〜20万円)
  • 駐車場を借りている場合は駐車場代も継続
  • 認知症が進行すると成年後見人選任が必要となり、処分までに3〜6か月かかる
  • 家族が勝手に運転して事故が起きた場合、所有者責任が問われる可能性

名義変更・抹消登録の書類作成から代行まで、車両関連の手続きをワンストップでサポートします。相談は何度でも無料・全国対応です。

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免許返納後の車の選択肢

免許を返納した方自身は運転できなくなりますが、車そのものは自動的に処分されるわけではありません。所有者(車検証の「所有者」欄に記載された人)の意思で、以下のいずれかを選ぶことになります。

選択肢 メリット デメリット
家族への名義変更 家族が引き続き使用できる/手続きが比較的簡単 家族に車が必要・保管場所が確保できる場合のみ
買取業者への売却 一定の売却益が得られる/業者が手続き代行 市場価値がない車は買取不可の場合あり
一時抹消登録 再登録すればまた乗れる/自動車税停止 駐車場所の確保が必要
永久抹消登録(解体) 完全処分できる/自動車税・自動車税還付 再登録不可/リサイクル料金の負担

家族への名義変更の手続き

普通車(登録自動車)の場合

普通車を家族(配偶者・子・孫等)に譲渡して名義変更する場合、移転登録の手続きを管轄の運輸支局で行います。必要書類は以下のとおりです。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 譲渡証明書(譲渡人の実印を押印)
  • 譲渡人の印鑑登録証明書(発行後3か月以内)
  • 譲受人の印鑑登録証明書(発行後3か月以内)
  • 譲受人の車庫証明書(発行後約1か月以内)
  • 委任状(代理申請の場合、双方の実印を押印)
  • 自動車税(種別割)申告書

※自動車税環境性能割は2026年3月31日をもって廃止されたため、2026年4月1日以降の名義変更では環境性能割の申告・納付は不要です。

手数料は、移転登録700円(窓口申請の場合。OSS(オンライン申請)の場合は600円)、ナンバープレート変更が必要な場合は追加で約1,500円です。なお、2026年4月1日施行の法定手数料改定により、窓口申請の場合は従来の500円から700円に引き上げられています。普通車の名義変更の詳細は「自動車の名義変更(移転登録)の手続き方法と必要書類」で解説しています。

軽自動車の場合

軽自動車の場合は、自動車検査証記入申請を軽自動車検査協会で行います。普通車と比較して手続きが簡素で、印鑑登録証明書は不要、車庫証明も必要地域のみとなります。

  • 自動車検査証
  • ナンバープレート(管轄が変わる場合のみ)
  • 新使用者の住民票(発行後3か月以内)
  • 申請依頼書(新旧所有者・使用者の認印)
  • 軽自動車税(種別割)申告書

手数料はナンバープレート交付がない場合は無料、交付がある場合は約1,500円です。

買取業者への売却

査定の依頼と相場確認

中古車買取業者(ガリバー・WECARS(旧ビッグモーター)・ラビット等)に査定を依頼するか、一括査定サイトで複数業者に見積もりを取ります。高齢者の車は走行距離が短く状態が良いケースも多く、想定より高く売れる場合があります。

売買契約の締結と名義変更

買取業者は、売買契約後に名義変更と自動車税・自賠責保険の還付手続きをすべて代行してくれます。所有者本人の印鑑登録証明書・自動車検査証・自賠責保険証明書の原本等を提出して、契約書に実印を押印するのが一般的な流れです。

売却代金から差し引かれる可能性のある項目

  • 名義変更代行費用
  • 書類取得代行費用(印鑑証明書等)
  • 抹消登録代行費用
  • リサイクル料金の精算差額

リサイクル料金は自動車リサイクル法に基づき新車購入時等に預託するもので、売却時は次の所有者に預託金請求権が引き継がれ、売却価格に上乗せされるのが一般的です。一方、永久抹消登録(解体処分)の場合は、預託金がそのまま解体に使われるため還付されません

契約前に「最終的に受け取る金額」を明細で確認し、手数料の透明性を確保することが重要です。

出張封印(丁種封印)のご案内

普通車(ナンバープレートに封印がある車)の名義変更でナンバーが変更になる場合、通常は管轄の運輸支局に車を持ち込んで封印を取り付ける必要があります。高齢者のご家族で車を持ち込むのが困難な場合などに便利なのが出張封印(丁種封印)サービスです。

国土交通省の認定を受けた行政書士(丁種会員)がご指定の場所まで出張し、新しいナンバープレートの取り付けと封印作業を行います。運輸支局まで車を運ぶ必要がないため、以下のようなケースで活用できます。

  • 本人が運転できず、運輸支局まで車を持ち込めない
  • 長距離運転が不安な高齢者の車の名義変更
  • 車検切れ・故障等で自走できない車の名義変更

一時抹消・永久抹消登録(廃車)

一時抹消登録(将来再登録の可能性がある場合)

しばらく乗らないが車両を保有しておきたい場合は一時抹消登録を選択します。登録を抹消すると自動車税の負担は停止しますが、自賠責保険は自動的には解約されないため、別途保険会社等で解約手続きを行う必要があります。再登録(中古新規登録)すれば再び公道走行が可能になります。詳細は「一時抹消登録と再登録(中古新規登録)の手続き|必要書類・費用を解説」で解説しています。

永久抹消登録(解体処分)

車両を使用済自動車として解体する場合は永久抹消登録を行います。自動車リサイクル法に基づき、引取業者(登録業者)に車両を引き渡したうえで、解体完了後に運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で永久抹消登録を申請します。

  • 自動車検査証
  • 印鑑登録証明書(普通車。発行後3か月以内)
  • 使用済自動車引取証明書(引取業者が発行)
  • 解体証明書(解体業者が発行。移動報告番号・解体報告記録日等)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 手数料納付書

廃車手続きの詳細は「廃車手続きの方法と必要書類|一時抹消と永久抹消の違いを解説」をご参照ください。

免許返納後の車の手続きでお困りの方へ

行政書士法人Treeでは、名義変更・抹消登録・出張封印までワンストップで対応しています。

  • ✔ 普通車・軽自動車の名義変更・抹消登録
  • ✔ 必要書類の取得代行(印鑑登録証明書以外)
  • 認知症の親御さんの車処分については、成年後見申立てから車両処分までのトータルサポート(司法書士・弁護士と連携)
  • 出張封印サービスで、車を運輸支局に持ち込めない場合にも対応
  • ✔ 相談は何度でも無料・全国対応

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税金・保険の精算と還付

自動車税・軽自動車税の還付

普通車の自動車税(種別割)は都道府県税で、抹消登録を行った月の翌月から年度末までの分が月割で還付されます。所有者宛に都道府県税事務所から還付通知書が郵送され、金融機関で受け取る形になります。還付までには抹消登録完了から1〜2か月程度かかります。

一方、軽自動車税(種別割)は市区町村税で月割還付の制度がなく、4月1日時点の所有者に年額が課税されるため、年度途中で抹消しても還付はありません。このため、軽自動車の廃車を検討する場合は、3月中に抹消登録を完了させることで翌年度の課税を回避するのが有効です。ただし、3月末は運輸支局が混雑するため、余裕を持って2月中に手続きを進めることをお勧めします。

自賠責保険の解約返戻金

自賠責保険は、抹消登録後に保険会社に解約手続きを行うと、残存期間に応じた解約返戻金が支払われます。満期までの期間が長いほど返戻金は多くなります。一時抹消・永久抹消のいずれでも対象となります。

ただし、残存期間が1か月未満の場合は返戻金が発生しないことが一般的で、また返戻金が少額の場合は手続き費用との兼ね合いで実質的に受け取れない場合もあります。解約の際は、保険会社に事前に返戻金額を確認することをお勧めします。

任意保険の解約・中断

任意保険も解約すれば解約返戻金が戻ります。ただし、中断証明書を取得しておけば、将来家族が新車を購入する際などに等級を引き継げる(通常10年以内)ため、解約前に保険会社へ確認するのが賢明です。

よくある質問

Q. 免許返納の手続き自体はどこで行えますか?

免許返納は警察署または運転免許センターで行います。申請後、希望すれば運転経歴証明書またはマイナ経歴証明書が交付され、身分証明書として運転免許証の代替として使用できます。返納手数料は無料で、2025年3月24日のマイナ免許証制度開始に伴い、以下の3つの選択肢から選べます。

  • 運転経歴証明書のみ:1,150円前後(従来の紙カード式。手数料は都道府県条例により異なる)
  • マイナ経歴証明書のみ:900円前後(マイナンバーカードに経歴情報を記録)
  • 両方保有(2枚持ち):1,250円前後

マイナ経歴証明書は、マイナンバーカードのICチップに運転経歴情報を記録する方式で、マイナポータルや専用アプリで経歴情報を提示できます。ただし、従来の紙カード式の運転経歴証明書自体にはICチップは搭載されていません。具体的な手数料は申請先の警察署や運転免許センターでご確認ください。

Q. 認知症の親の車を家族が勝手に処分できますか?

車両の所有者が意思能力を欠く場合、家族であっても勝手に売却・廃車処分はできません。判断能力の程度に応じて、以下の成年後見制度の利用が必要となります。

  • 成年後見:判断能力を欠く常況にある場合(後見人が代理で処分可能)
  • 保佐:判断能力が著しく不十分な場合(保佐人の同意または代理権付与が必要)
  • 補助:判断能力が不十分な場合(補助人の同意または代理権付与が必要)

自動車の処分は、居住用不動産のような家庭裁判所の許可は原則不要ですが、後見監督人が選任されている場合は同意が必要です。成年後見人の選任申立ては家庭裁判所に対して行う手続きで、申立てから選任まで通常3〜6か月を要します。申立ては司法書士または弁護士に依頼するのが一般的で、行政書士法人Treeでは提携司法書士・弁護士をご紹介できます。

認知症の方の財産管理については「認知症の相続人がいる場合の遺産分割手続き」も関連情報として参考になります。

Q. ローン残債がある車は名義変更できますか?

ローン完済までは車検証の「所有者」欄に信販会社・販売会社の名義が記載されている(所有権留保)ケースが多く、この状態では名義変更はできません。完済後に所有権解除の手続きを行い、その後名義変更・売却を進めます。所有権解除の詳細は「所有権解除の手続き|ローン完済後の名義変更方法」をご参照ください。

Q. 車を子どもに名義変更して贈与した場合、贈与税はかかりますか?

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に同一人から受けた贈与の合計額に対して計算され、110万円の基礎控除が適用されます。その年に他に現金や株式等の贈与がない場合、車の時価が110万円以下であれば贈与税はかかりません。ただし、他の贈与と合算して110万円を超える場合は課税対象となります。

なお、60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与では、相続時精算課税制度(2,500万円まで贈与税非課税、2024年1月以降は毎年110万円の基礎控除あり・相続財産に加算不要)の選択も可能です。高額な車を贈与する場合は、この制度の活用も検討できます。正確な課税判定は税理士にご相談ください。

Q. 免許返納特典でバス・タクシーの割引が使えると聞きましたが?

多くの自治体では運転経歴証明書を提示することで、様々な特典が利用できる制度を用意しています。具体例としては以下のようなものがあります。

  • 公共交通機関の運賃割引:タクシー運賃1割引(全国多数のタクシー会社)、路線バスのシルバー割引、JR・私鉄の高齢者割引等
  • 商業施設の特典:百貨店・スーパー・家電量販店等での5〜10%割引
  • 金融機関の特典:一部銀行の定期預金優遇金利等
  • 自治体独自の特典:巡回バスの無料利用、タクシー利用券の交付、家事・買い物支援サービス等

特典の内容は自治体により大きく異なります。お住まいの自治体の公式サイトや、各都道府県警察の「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」のページで具体的な加盟企業・特典を確認できます。

まとめ

  • 免許返納後の車の主な選択肢は家族への名義変更・売却・抹消登録(廃車)の3つ
  • 名義変更は普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続き
  • 売却は買取業者が一括代行してくれるが、最終受取額の明細確認が重要
  • 抹消登録後は自動車税の月割還付・自賠責保険の解約返戻金を忘れず請求
  • ローン残債がある場合は完済後に所有権解除の手続きが必要

相続で車を引き継いだ場合の手続きは「車の相続手続き|名義変更の流れと必要書類を解説」で解説しています。

自動車の名義変更・廃車手続きはお任せください

サービス 料金(税込) 内容
移転登録のみ(法人・ディーラー・多摩) 7,000円 書類作成+運輸支局での手続き代行
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  • ✔ 書類作成から運輸支局・軽自動車検査協会での手続きまで代行
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※別途、法定手数料(移転登録印紙700円、ナンバー変更約1,500円等)が必要です。

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※ 本記事の内容は2026年4月時点の道路運送車両法・自動車リサイクル法等に基づく一般的な解説です。税務の詳細は税理士にご相談ください。

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