建設業の許可は、建設業法第3条に基づき業種別に与えられます。対象は29業種(一式工事2業種+専門工事27業種)に細分され、業種ごとに営業所に置く営業所技術者等(令和6年12月13日施行の改正で従来の「専任技術者」から名称変更)の要件、施工対象工事、認められる国家資格、経審(経営事項審査)における業種別完成工事高・技術職員数・P点への影響が異なります。複数の業種で工事を請け負う場合は、業種ごとに許可を取得する必要があります(軽微な工事を除く)。
本記事では、(1)29業種の制度概要(建設業法第3条・別表第一)、(2)一式工事2業種と専門工事27業種の機能別グループ、(3)一式工事と専門工事の違い、(4)業種別の営業所技術者等の要件と国家資格の対応、(5)業種追加申請の手続、(6)一般建設業と特定建設業の区別(令和7年2月1日施行後の現行基準)、(7)経審(経営事項審査)との関係、(8)業種選択の実務戦略、を整理して解説します。
建設業の新規許可申請・業種追加・更新・営業所技術者等の要件のセカンドオピニオンをご検討中の事業者さまへ。行政書士法人Treeでは、業種選定の戦略相談から営業所技術者等の資格・実務経験の充足確認、複数業種の同時申請、変更届・5年更新・経審申請までを一括サポートします(資格試験は本人、税務申告は税理士、労務管理は社会保険労務士をご紹介します)。
目次
目次
- 建設業29業種の制度概要(建設業法第3条・別表第一)
- 軽微な工事の基準
- 一式工事と専門工事の違い
- 29業種の機能別グループ一覧
- 業種別の営業所技術者等の要件(旧専任技術者)
- 国家資格と対応業種の対照表
- 実務経験ルートと令和5年7月の緩和(第一次検定合格者)
- 業種追加申請の手続
- 一般建設業と特定建設業の区別(令和7年2月1日施行後)
- 経審(経営事項審査)と業種別Y点・P点
- 業種選択の実務戦略
- 業務範囲|行政書士・社労士・税理士の役割
- よくある質問
建設業29業種の制度概要(建設業法第3条・別表第一)
建設業を営むには、軽微な工事(次見出しで詳述)を除き、建設業法第3条に基づく建設業許可が必要です。許可は業種別に与えられ、建設業の種類は建設業法別表第一に29種類が掲げられています。具体的な工事内容や要件は、建設業法・建設業法施行令・施行規則・国土交通省ガイドライン・申請先自治体の手引き等で整理されます。
- 一式工事(2業種):土木一式工事・建築一式工事
- 専門工事(27業種):大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体
「解体工事業」は2016年6月1日施行の建設業法改正により、従来とび・土工に含まれていたものが独立した29番目の業種として追加されました。
軽微な工事の基準
建設業許可が不要となる「軽微な建設工事」の基準は次のとおりです。
- 建築一式工事:工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事(金額・面積はOR条件)
- 建築一式工事以外(専門工事27業種):工事1件の請負代金が500万円未満の工事
「1,500万円未満かつ150㎡未満の木造住宅」とAND条件で覚えると基準を狭く誤解するため、OR条件である点に注意してください。請負代金は消費税込みで判断します。
一式工事と専門工事の違い
一式工事と専門工事は、施工対象の性質が根本的に異なります。混同して許可申請をするケースが少なくないため、正確に理解しておく必要があります。
一式工事(土木一式・建築一式)
- 総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事
- 元請として請け負う大規模・複雑な工事で問題となることが多い(ただし、単に金額が大きいことだけで一式工事と判断されるものではない)
- 一式工事の許可があっても、専門工事を単独で請け負うには別途その専門工事の許可が必要(500万円未満の軽微な工事を除く)
- 典型例:橋梁の建設(土木一式)、住宅・ビル等の新築(建築一式)
専門工事(27業種)
- 特定の専門技術を要する個別の工事
- 専門工事として独立して請け負う場合は、その業種の許可が必要
- 一式工事の一部として下請に出される場合もある
- 典型例:電気設備工事(電気工事業)、内装仕上げ(内装仕上工事業)等
「建築一式があれば住宅リフォームも全部OK」は誤り
建築一式の許可があっても、リフォーム(内装仕上・塗装・防水等の専門工事)の500万円以上の工事を請け負うには、別途その専門工事の許可が必要です。「建築一式があれば何でもできる」と誤解しないよう、業種選定の段階で確認してください。
29業種の機能別グループ一覧
29業種を理解しやすくするため、機能別にグループ化します。
一式工事(2業種)
- 土木一式工事業
- 建築一式工事業
建築・仕上系(10業種)
- 大工工事業
- 左官工事業
- 屋根工事業
- タイル・れんが・ブロック工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 建具工事業
- 板金工事業
土木・構造系(7業種)
- とび・土工・コンクリート工事業
- 石工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 舗装工事業
- しゅんせつ工事業
- 解体工事業
設備系(5業種)
- 電気工事業
- 管工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
特殊・その他(5業種)
- 造園工事業
- さく井工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
業種別の営業所技術者等の要件(旧専任技術者)
建設業許可を受けるには、許可を受けようとする営業所ごとに、営業所技術者等(令和6年12月13日施行の改正で従来の「専任技術者」から名称変更)を置く必要があります(一般建設業について建設業法第7条第2号、特定建設業について同法第15条第2号)。営業所技術者等は次の3ルートのいずれかで要件を満たします。
① 国家資格による要件充足
業種に対応する国家資格(1級・2級施工管理技士、建築士、技術士、職業能力開発促進法の技能検定等)を有する者。業種ごとに認められる資格が異なるため、必ず一次資料(国土交通省ガイドライン等)で対応関係を確認します。
② 実務経験10年
許可を受けようとする建設業種について、10年以上の実務経験を有する者。複数業種にわたる場合は業種ごとに10年が原則必要で、合算は限定的にしか認められません。
ただし重要な例外:消防施設工事業は、消防法第17条の5により消防用設備等の工事に消防設備士の資格が必要なため、原則として無資格者の実務経験(10年・指定学科+年数)では営業所技術者等になれず、消防設備士(甲種・乙種)等の資格が事実上必須です。電気工事業も電気工事士法との関係で資格が重視されます。
③ 指定学科卒業+実務経験
- 大学・短期大学・高等専門学校・専門士または高度専門士を付与された専門学校の指定学科卒業+3年以上の実務経験
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(専門課程)の指定学科卒業+5年以上の実務経験
「指定学科」は業種ごとに異なります(例:建築一式は建築学・都市工学等、電気工事は電気工学・電気通信工学等)。学歴区分・指定学科該当性は、卒業証明書・成績証明書等で確認し、申請先自治体の手引きでも事前にご確認ください。
国家資格と対応業種の対照表
| 国家資格 | 対応業種(一般建設業の営業所技術者等) |
|---|---|
| 1級建築施工管理技士 | 建築一式・大工・左官・とび土工コンクリート・石・屋根・タイルれんがブロック・鋼構造物・鉄筋・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具 等。解体工事業については合格時期・講習・実務経験等の追加確認が必要となる場合あり |
| 2級建築施工管理技士(建築・躯体・仕上げ) | 受験区分に応じた各業種 |
| 1級土木施工管理技士 | 土木一式・とび土工コンクリート・石・鋼構造物・鉄筋・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設 等。解体工事業については合格時期・講習・実務経験等の追加確認が必要となる場合あり |
| 2級土木施工管理技士(土木・鋼構造物塗装・薬液注入) | 受験区分に応じた各業種 |
| 1級電気工事施工管理技士 | 電気工事業 |
| 1級管工事施工管理技士 | 管工事業 |
| 1級造園施工管理技士 | 造園工事業 |
| 電気工事士(第1種・第2種) | 電気工事業(実務経験要件あり) |
| 1級建築士 | 建築一式・大工・屋根・タイル・鋼構造物・内装仕上 等 |
| 2級建築士 | 建築一式・大工・屋根・タイル・内装仕上 等 |
| 技術士(建設部門等) | 部門に応じた各業種 |
| 消防設備士(甲種・乙種) | 消防施設工事業(消防法により消防用設備等の工事には消防設備士が必要。原則として無資格者の実務経験のみでは営業所技術者等になれず、資格が事実上必須) |
上記は代表例です。業種ごとに認められる資格・受験区分・実務経験要件が異なるため、申請にあたっては必ず国土交通省ガイドラインおよび申請先都道府県の手引きでご確認ください。
実務経験ルートと令和5年7月の緩和(第一次検定合格者)
実務経験の証明
実務経験10年(指定学科卒業者は3年または5年)を証明するには、次の資料が必要です。
- 過去の勤務先からの実務経験証明書(在籍した期間・従事した業務内容・施工した工事名)
- 過去の請負契約書・注文書・請書・工事台帳等の裏付け資料
- 常勤性を示す健康保険被保険者証・年金記録・住民税特別徴収税額決定通知書等
過去の勤務先が廃業しているなどで実務経験証明書が取得できない場合、申請が困難になるため、転職時の証明書取得は早めに進めておくことが重要です。
指定学科
業種ごとの指定学科は、建設業法施行規則および国土交通省告示で定められています。
- 建築一式・大工・内装仕上等:建築学、都市工学
- 土木一式・とび土工コンクリート・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ等:土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学
- 電気工事:電気工学、電気通信工学
- 管工事:機械工学、建築学、都市工学、衛生工学
- 造園工事:林学、造園学、土木工学
該当の判断は卒業証明書・成績証明書で行います。専攻が境界的な場合は、申請先都道府県に事前確認するのが安全です。
令和5年7月の実務経験要件の緩和(第一次検定合格者)
令和5年7月施行の建設業法施行規則改正により、施工管理技術検定の第一次検定の合格者(いわゆる技士補等)は、学歴にかかわらず指定学科の卒業者と同等とみなされ、第一次検定合格後の所定年数(3年・5年等)の実務経験により営業所技術者等になれるようになりました(指定建設業7業種および電気通信工事業を除く)。指定学科の出身でない方が資格ルートで早期に営業所技術者等となる重要な道筋です。
業種追加申請の手続
既に建設業許可を有する事業者が新たな業種を追加する場合の手続です。
申請の種類
- 業種追加申請:既存の許可業種に新業種を追加する場合
- 般・特新規申請:一般建設業の業種を持つ事業者が特定建設業の業種を新たに取得する場合(またはその逆)
業種追加の主な要件
- 追加業種の営業所技術者等を別途配置(同一営業所内で複数業種の営業所技術者等を兼ねることは可能。ただし要件を満たす者であること)
- 許可申請手数料:業種追加申請は、通常1申請につき5万円(複数業種を同時に追加する場合の扱い、一般・特定をまたぐ場合、知事許可・大臣許可の別については申請先の手引きで確認)
- 欠格事由・財産的基礎・誠実性等の他の要件は既存許可の維持と同様
業種追加の戦略
業種追加申請は新規申請より手数料が低く、既存の許可期間と一致させることで更新時の手続を一本化できます(許可の一本化)。複数業種の追加を検討する場合は、更新時期に合わせた段階的追加を計画するのが実務的です。
一般建設業と特定建設業の区別(令和7年2月1日施行後)
区分の基準(現行基準)
令和7年(2025年)2月1日施行の建設業法施行令改正後、現行の区分基準は次のとおりです。
- 一般建設業:発注者から直接請け負った1件の工事について、下請に出す金額の合計が5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)である元請工事、および下請工事を施工する場合の許可区分
- 特定建設業:発注者から直接請け負った1件の工事について、下請に出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる元請工事を施工する場合に必要な許可区分
※改正前の旧基準は4,500万円・建築一式7,000万円でした。本記事は現行基準を主表記としています。
特定建設業の追加要件
- 営業所技術者等(特定営業所技術者)は、原則として1級国家資格者等であること、または一般建設業の技術者要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の工事に関し2年以上の指導監督的実務経験を有することが必要(指導監督的実務経験の4,500万円は、施工体制台帳基準・専任配置基準・特定許可基準とは別の独立基準で、国土交通省ガイドラインの現行値)
- 指定建設業7業種(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)は、原則として1級国家資格者等に限られ、指導監督的実務経験のみでは足りません
- 財産的基礎の要件が一般建設業より厳しく設定されています(欠損の額・流動比率・資本金・自己資本に関する複数の要件)
経審(経営事項審査)と業種別Y点・P点
公共工事の入札に参加するには、経営事項審査(経審)を受審する必要があります。経審の総合評定値P点は業種ごとに算定されますが、Y点(経営状況)は会社全体の評点である点に注意してください。
- X1点(経営規模・完成工事高):業種別の完成工事高で算定
- X2点(経営規模・自己資本額・平均利益額):自己資本額+平均利益額(営業利益+減価償却実施額=EBITDA)で算定
- Y点(経営状況):登録経営状況分析機関による経営状況分析で算出される評点で、会社全体の財務指標(純支払利息比率・負債回転期間・売上高経常利益率等)に基づきます。業種別ではなく会社全体の評点です
- Z点(技術力):業種別技術職員数・元請完成工事高で算定
- W点(社会性等):労働福祉・防災・建設機械の保有等、会社全体の評点
- 総合評定値P点(業種別):現行の代表的な算式はP=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W
係数や算定方法は改正される可能性があるため、実際の申請時は最新の経審手引き・経営状況分析機関の案内をご確認ください。業種を増やすほど経審の対象業種も増えるため、入札参加を視野に入れる場合は業種選定の段階で経審戦略も並行して検討します。
業種選択の実務戦略
業種選定の判断軸
- 主要施工対象:個人住宅・商業施設・インフラ・公共工事のいずれが中心か
- 技術者の有資格者確保状況:社内で配置可能な営業所技術者等の資格・実務経験
- 将来計画:今後5年間で取得を予定する業種・特定建設業への昇格計画
- 取引先要件:取引先元請が下請に求める許可業種
- 経審・入札戦略:公共工事入札を視野に入れる場合の業種選定
避けたい失敗例
- 建築一式だけで内装リフォーム500万円以上を請け負ってしまう(無許可営業)
- とび・土工で解体工事500万円以上を請け負ってしまう(解体は2016年から独立業種)
- 複数業種を取得したが、営業所技術者等の常勤性が崩れて要件失効
- 業種追加のタイミングを誤り、更新を2回に分けて手数料・事務負担増
- 消防施設工事業について実務経験のみで申請しようとして要件不充足(消防設備士の資格が事実上必須)
業務範囲|行政書士・社労士・税理士の役割
- 行政書士(行政書士法人Tree):建設業許可の新規申請、業種追加、般・特新規申請、5年更新、変更届、決算変更届に係る財務諸表(行政庁提出書類)の作成、経審申請、入札参加資格申請の代行・サポート
- 社会保険労務士:労務管理、社会保険手続、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入確認
- 税理士:税務申告、会計処理、工事進行基準・原価計算等の税務会計上の助言
- 本人:国家資格試験の受験・取得
- 専門業者:技術者の継続教育、CCUS(建設キャリアアップシステム)の登録
CCUS登録支援は行政書士の独占業務ではなく、建設業許可・経審・入札参加資格の管理とあわせた実務支援として対応します。
建設業29業種の選定相談から、新規許可・業種追加・更新・経審・入札参加資格まで、行政書士法人Treeが一括でサポートします。営業所技術者等の資格・実務経験の充足確認(消防施設工事業の資格要件含む)、複数業種の同時申請、許可の一本化、決算変更届、CCUS登録支援もお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. 29業種すべて一度に取得できますか。
理論上は可能ですが、業種ごとに営業所技術者等の要件を満たす必要があり、現実的ではありません。一般的には主要数業種のみを取得し、必要に応じて業種追加申請で広げていくのが実務です。
Q2. 軽微な工事の基準は「1,500万円未満かつ150㎡未満の木造住宅」ですか。
AND条件ではなくOR条件です。建築一式工事は「1,500万円未満の工事または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事」であれば軽微な工事として許可不要です。建築一式以外の専門工事は「500万円未満」が基準となります。
Q3. 建築一式の許可があれば、リフォーム工事も全部請け負えますか。
いいえ。内装仕上・塗装・防水・電気等のリフォーム工事を500万円以上で請け負うには、別途その専門工事の許可が必要です。「一式があれば何でもできる」は誤解です。
Q4. 解体工事はとび・土工に含まれますか。
2016年6月1日施行の改正により、解体工事業は独立した29番目の業種となりました。解体工事を500万円以上で請け負うには解体工事業の許可が必要です(経過措置は終了済み)。
Q5. 消防施設工事業は実務経験10年で営業所技術者等になれますか。
原則としてなれません。消防法第17条の5により消防用設備等の工事には消防設備士の資格が必要なため、消防施設工事業の営業所技術者等は消防設備士(甲種・乙種)等の資格が事実上必須となります。
Q6. 営業所技術者等は複数の業種を兼ねられますか。
同一の営業所内であれば、1人が複数業種の営業所技術者等を兼ねることは可能です。ただし、その者が各業種の要件(資格または実務経験)をすべて満たしている必要があります。異なる営業所をまたいでの兼任は、常勤性の要件から原則として認められません。
Q7. 業種追加の許可手数料はいくらですか。
業種追加申請は通常1申請につき5万円です(複数業種を同時追加でも1件5万円)。新規申請(知事許可9万円、大臣許可15万円)より低額です。既存許可の一本化を視野に入れて、更新時期に合わせた段階的追加が実務的です。
Q8. 実務経験10年は他社での経験も合算できますか。
はい。他社での実務経験も、実務経験証明書(過去の勤務先からの証明)と裏付け資料(請負契約書等)があれば合算可能です。退職時に早めに証明書を取得しておくことが重要です。
Q9. 一般建設業から特定建設業への切替はどうしますか。
般・特新規申請として、特定建設業の追加要件(原則1級国家資格者等、または一般建設業の技術者要件+4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験。指定建設業7業種は1級国家資格者等が必須)と財産的基礎の強化を満たしたうえで申請します。元請として5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)の下請契約を締結する場合に必要です(令和7年2月1日施行後の現行基準)。
Q10. 令和5年7月の実務経験要件の緩和とは何ですか。
令和5年7月施行の建設業法施行規則改正により、施工管理技術検定の第一次検定合格者(技士補等)は学歴にかかわらず指定学科卒業者と同等とみなされ、第一次検定合格後の所定年数(3年・5年等)の実務経験で営業所技術者等になれるようになりました(指定建設業7業種および電気通信工事業を除く)。
まとめ
建設業許可は建設業法第3条に基づき29業種(一式工事2業種+専門工事27業種。別表第一)に細分され、業種ごとに営業所に置く営業所技術者等(令和6年12月13日施行の改正で旧「専任技術者」から名称変更)の要件、施工対象、認められる国家資格、経審における業種別の完成工事高・技術職員数・P点への影響が異なります。なお、Y点は会社全体の経営状況を示す評点です。複数業種で工事を請け負う場合は、業種ごとの許可取得が必要です(軽微な工事を除く)。
軽微な工事は、建築一式工事については「1件1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事」(OR条件)、建築一式以外は「1件500万円未満」が基準です。AND条件で覚えると基準を狭く誤解するため注意してください。
一式工事は総合的な企画・指導・調整を伴う工事、専門工事は個別の専門技術を要する工事という性質の違いがあります。「建築一式があればリフォームも全部OK」「とび・土工で解体工事も請け負える」といった誤解は無許可営業のリスクとなるため、業種選定の段階で正確に確認することが重要です。消防施設工事業は消防法上、消防設備士の資格が事実上必須である点も忘れずに確認します。
業種選定にあたっては、主要施工対象・技術者の有資格者確保状況・将来計画・取引先要件・経審入札戦略の5軸で判断します。業種追加申請は新規より手数料が低く(1申請につき5万円)、更新時期に合わせた一本化により事務負担を抑えられます。一般建設業と特定建設業の区分(現行基準は下請金額5,000万円・建築一式8,000万円)、指定建設業7業種における1級国家資格者等の必須性、営業所技術者等の常勤性、変更届の期限管理など、許可維持のための継続的対応も重要です。
建設業許可の新規申請、業種追加、般・特新規、5年更新、経審、入札参加資格まで、行政書士法人Treeにご相談ください。営業所技術者等のセカンドオピニオン、複数業種の同時申請、CCUS登録支援、決算変更届、変更届の期限管理代行も承ります。資格試験は本人、税務申告は税理士、労務管理は社会保険労務士をご紹介します。
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※ 本記事は執筆時点の法令(建設業法・建設業法施行令・建設業法施行規則・消防法等)・国土交通省ガイドライン・各都道府県の運用実務に基づき作成しています。営業所技術者等の名称変更(令和6年12月13日施行)、特定建設業を要する下請金額基準(令和7年2月1日施行後の5,000万円・建築一式8,000万円)、令和5年7月の実務経験要件緩和、消防施設工事業の資格要件等を反映しています。業種別の要件・国家資格対応・指定学科は改正・運用変更により細部が異なる場合があります。最新情報のご確認と専門家へのご相談をお願いいたします。


