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特定技能「鉄道」分野の受入要件|軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員の5区分

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特定技能「鉄道」は、令和6年(2024年)3月29日の閣議決定により特定技能制度の対象分野へ追加された分野で、鉄道事業の現場業務における外国人材の受入れが可能となりました。対象業務は軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員の5区分です。「運転士・車掌・駅係員・運行管理」は独立区分ではなく、運輸係員区分に含まれる業務です。

本記事では、国土交通省・出入国在留管理庁が定める公式の5区分の正確な内容、運輸係員区分のみ日本語能力試験N3以上が要件である点、各区分の試験実施団体、受入機関の対象範囲、特定技能協議会への加入、動力車操縦者運転免許との関係などを実務目線で解説します。

注意:一部の解説で「運転士・車掌・駅員・車両整備・運行管理」を独立5区分とする記述がありますが、これは国土交通省・出入国在留管理庁が定める公式区分と異なります。本記事は公式の5区分(軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員)に基づき整理しています。

特定技能「鉄道」分野で外国人材の受入れをご検討の鉄道事業者・軌道経営者・車両整備事業者・車両製造事業者の方へ。行政書士法人Treeでは、鉄道分野特定技能協議会への加入手続、業務区分の判定、在留資格認定証明書交付申請、支援計画書の作成、登録支援機関との委託契約整備までを一括サポートします(労務管理・社会保険手続は社労士、運輸関係の事業許認可は社内法務、税務は税理士をご紹介します)。

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目次

  1. 制度の概要|2024年追加分野・受入見込数5年間で最大3,800人
  2. 対象業務の5区分(公式区分)
  3. 技能評価試験と各区分の試験実施団体
  4. 日本語能力要件|運輸係員区分はN3以上
  5. 技能実習2号良好修了者の試験免除
  6. 受入機関(特定技能所属機関)の対象範囲と要件
  7. 鉄道分野特定技能協議会への加入
  8. 動力車操縦者運転免許との関係
  9. 安全管理上の実務ポイント
  10. 特定技能1号と2号
  11. 業務範囲|行政書士・社労士・登録支援機関の役割
  12. よくある質問

制度の概要|2024年追加分野・受入見込数5年間で最大3,800人

  • 追加分野:令和6年3月29日の閣議決定により、自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が特定技能の対象分野に追加
  • 受入見込数:鉄道分野は5年間で最大3,800人
  • 所管:国土交通省(鉄道局)
  • 対応する在留資格:当面、特定技能1号のみが利用可能(特定技能2号の対象範囲は今後の制度改正により変動の可能性があるため、申請時点の最新情報を出入国在留管理庁・国土交通省でご確認ください)
  • 育成就労制度:鉄道分野は育成就労制度(旧技能実習に代わる新制度)の対象分野でもあり、育成就労から特定技能1号への移行も想定されています

対象業務の5区分(公式区分)

国土交通省・出入国在留管理庁が定める鉄道分野の業務区分は次の5区分です。

① 軌道整備区分

軌道(レール・まくらぎ・バラスト等)の新設・改良・修繕に係る作業・検査業務等。

② 電気設備整備区分

電路設備、変電所等設備、信号保安設備、保安通信設備、踏切保安設備等の新設・改良・修繕に係る作業・検査業務等。

③ 車両整備区分

鉄道車両の列車検査・定期検査・臨時検査、構内入換、改造工事等の整備業務等。

④ 車両製造区分

鉄道車両・鉄道車両部品の素材加工・部品組立て・構体組立て・塗装・溶接・ぎ装・台車組立て・試験検査等の製造業務等。

⑤ 運輸係員区分

ポイント操作、入換え合図、駅設備管理・取扱業務、旅客案内・貨物取扱業務、運行管理業務、車掌業務、運転士業務等。「運転士」「車掌」「駅係員」「運行管理」はいずれもこの運輸係員区分に含まれます(独立区分ではありません)。

業務区分と試験区分の対応

特定技能外国人が従事する業務は、原則として合格した技能評価試験の区分に対応する業務となります。別の業務区分に従事させる場合は、該当区分の技能水準を満たすか、在留資格上の活動内容・雇用契約・届出の整合性を個別に確認する必要があります。

技能評価試験と各区分の試験実施団体

鉄道分野特定技能1号評価試験は、業務区分ごとに試験実施団体が異なります。

業務区分 試験実施団体
軌道整備 日本鉄道施設協会
電気設備整備 鉄道電業安全協会
車両整備 日本鉄道車両機械技術協会
車両製造 日本鉄道車輌工業会
運輸係員 日本鉄道運転協会

令和7年2月以降、各区分で試験実施要領や試験実施主体の案内が公表されています。最新の試験日程・申込方法は、国土交通省の鉄道分野ページ及び各試験実施団体の公表情報でご確認ください。

日本語能力要件|運輸係員区分はN3以上

  • 軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造の各区分:日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上
  • 運輸係員区分日本語能力試験N3以上(または日本語教育の参照枠B1相当以上)が要件

運輸係員区分は、運輸指令とのコミュニケーション、旅客案内、異常時の避難誘導等の緊急時対応が求められるため、他区分より一段高い日本語能力が努力目標ではなく要件として定められています。

技能実習2号良好修了者の試験免除

本分野に関する技能実習2号を良好に修了した者は、対応する区分の技能試験・日本語試験が免除されます。技能実習からのキャリアパス、令和9年4月施行予定の育成就労制度からの移行も含めて、人材確保の選択肢が広がります。

受入機関(特定技能所属機関)の対象範囲と要件

対象事業者の範囲

  • 鉄道事業法による鉄道事業者(第一種・第二種・第三種鉄道事業者)
  • 軌道法による軌道経営者
  • その他、鉄道事業又は軌道事業の用に供する施設若しくは車両の整備又は車両の製造に係る事業を営む者

車両整備・車両製造の事業者も受入機関に含まれる点が重要です。地下鉄事業者であっても、鉄道事業法又は軌道法上の事業者区分を満たせば受入れを検討できます。

主な要件

  • 直接雇用:特定技能外国人の雇用形態は直接雇用に限られます
  • 鉄道分野特定技能協議会への加入(後述)
  • 国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査・指導への協力
  • 登録支援機関に支援計画の実施を委託する場合は、必要な協力を行う登録支援機関へ委託
  • 適切な支援体制の整備(事前ガイダンス・出入国時の送迎・住居確保・生活オリエンテーション・日本語学習機会の提供等の義務的支援10項目)
  • 労働・社会保険関係法令の遵守、日本人が従事する場合と同等以上の報酬

鉄道分野特定技能協議会への加入

受入機関(特定技能所属機関)は、鉄道分野特定技能協議会の構成員となる必要があります。登録支援機関に支援計画の実施を委託する場合は、登録支援機関も協議会への加入が必要です。

申請にあたっての注意点(国土交通省案内)

  • 特定技能外国人受入れの見込みが具体となってから申請(将来的な受入れ希望や協議会加入そのものを目的とした申請は控える)
  • 会費は不要
  • 加入後は協議会の活動への協力・調査への協力が求められる

動力車操縦者運転免許との関係

運輸係員区分のうち、実際に動力車を操縦する運転士業務に従事するには、特定技能の在留資格に加え、動力車操縦者運転免許が必要です。

動力車操縦者運転免許制度の概要

  • 根拠:「動力車操縦者運転免許に関する省令」(鉄道営業法・軌道法を踏まえた省令)
  • 種別:操縦する車両の種類に応じた種別(電気車・内燃車・新幹線電気車・無軌条電車等)ごとに区分
  • 取得には養成・試験・身体検査・適性検査等の要件あり

運転士業務の人材育成

運転士業務に従事させるには、運輸係員区分で求められるN3以上の日本語能力、鉄道用語・安全用語の理解、社内教育、動力車操縦者運転免許取得に向けた養成体制が必要です。駅係員・車掌等の運輸係員業務から段階的に経験を積ませるキャリアパスも考えられますが、個別の事業者の養成制度・配置計画に応じて設計します。

安全管理上の実務ポイント

鉄道は公共安全に直結する事業のため、特定技能外国人を受け入れる場合も、既存の鉄道安全管理を外国人材にも適切に適用する必要があります。

  • 保安教育・安全教育:鉄道事業者の安全管理規程・社内規程・関係法令に基づき、必要な教育・訓練を継続的に実施。外国人材については、鉄道用語・安全用語・緊急時対応を理解できる多言語化教材の整備が重要
  • 健康管理:運転士業務など安全に直結する業務では、動力車操縦者運転免許制度・社内規程・労働安全衛生法等に基づく身体検査・適性確認・定期健康診断等を適切に実施
  • 緊急時対応訓練:異常気象・人身事故・テロ等の緊急事態を想定した避難誘導訓練・連絡訓練の実施
  • 交代制勤務の労務管理:鉄道業務特有の早朝・深夜・泊まり勤務に対応した労務管理
  • 適性確認:職務ごとの資格・適性確認(視力・聴力・身体機能等)

特定技能1号と2号

  • 特定技能1号:通算在留期間の上限5年、原則家族帯同不可、技能評価試験+日本語試験合格者または技能実習2号良好修了者
  • 特定技能2号:在留期間更新の上限なし、家族帯同可、より高度な技能評価試験合格者

鉄道分野で特定技能2号が利用できるか、又は今後対象となるかについては、制度改正により変動する可能性があるため、申請時点で出入国在留管理庁・国土交通省の最新情報をご確認ください。

業務範囲|行政書士・社労士・登録支援機関の役割

  • 申請取次行政書士(行政書士法人Tree):受入機関の鉄道分野特定技能協議会加入手続、業務区分の判定、在留資格認定証明書交付申請・在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請等の書類整備・取次申請、支援計画書の作成、登録支援機関との委託契約整備
  • 登録支援機関:義務的支援10項目の実施(受入機関が自社で支援する場合は不要。委託する場合は登録支援機関側も協議会加入が必要)
  • 社会保険労務士:雇用契約・労務管理・社会保険手続・就業規則整備(特に交代制勤務)
  • 各試験実施団体:技能評価試験の実施
  • 受入機関(鉄道事業者等):安全教育、動力車操縦者運転免許の養成体制整備、職務配置

特定技能「鉄道」分野の受入手続を、業務区分の判定から協議会加入・在留資格申請・支援計画書作成・登録支援機関との委託契約整備まで一括サポートします。動力車操縦者運転免許との関係、運輸係員区分のN3要件、車両製造・整備事業者の受入適格性についてもご相談ください。

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よくある質問

Q. 対象業務の5区分は「運転士・車掌・駅員・車両整備・運行管理」ですか.
A. 違います. 国土交通省・出入国在留管理庁が定める公式の5区分は「軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員」です. 「運転士・車掌・駅係員・運行管理」はいずれも運輸係員区分に含まれる業務であり、独立区分ではありません. 一部の解説で独自の5区分が示されることがありますが、公式区分でご確認ください.

Q. 日本語能力試験N4で全区分の業務に従事できますか.
A. できません. 軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造の各区分はN4以上(またはJFT-Basic A2以上)が要件ですが、運輸係員区分のみN3以上が要件です. 運輸指令とのコミュニケーション、旅客案内、緊急時対応のため一段高い日本語能力が求められます.

Q. 車両製造会社も特定技能「鉄道」で受入機関になれますか.
A. なれます. 受入機関の対象には、鉄道事業者・軌道経営者だけでなく、鉄道事業又は軌道事業の用に供する施設若しくは車両の整備又は車両の製造に係る事業を営む者が含まれます. 車両整備事業者・車両製造事業者も受入機関となり得ます.

Q. 運転士業務をさせるには特定技能の合格だけで足りますか.
A. 足りません. 動力車操縦者運転免許に関する省令に基づく動力車操縦者運転免許の取得が別途必要です. 養成・試験・身体検査・適性検査等の要件があり、運輸係員区分で求められるN3以上の日本語能力と社内教育体制が前提となります.

Q. 技能実習2号を良好に修了している場合はどうなりますか.
A. 本分野に関する技能実習2号を良好に修了した者は、対応する区分の技能試験・日本語試験が免除されます. 育成就労制度からの移行も今後想定されており、人材確保の選択肢として活用できます.

Q. 鉄道分野特定技能協議会への加入はいつ申請しますか.
A. 国土交通省は、特定技能外国人受入れの見込みが具体となってから申請することを案内しています. 将来的な受入れ希望や協議会加入そのものを目的とした申請は控えるよう求められています. 会費は不要です. 登録支援機関に支援を委託する場合は、登録支援機関も協議会への加入が必要です.

Q. JR各社の場合、本社で手続をすれば全国の支社に自由に配置できますか.
A. 単純にはできません. 特定技能所属機関としての雇用契約・支援計画・協議会加入・届出等は法人・事業者単位で確認しますが、実際の配置先ごとに、従事業務区分、労働条件、安全教育、住居・生活支援、相談体制等を整備する必要があります.

Q. 鉄道分野の特定技能2号はいつ利用できますか.
A. 鉄道分野で特定技能2号が利用できるか、又は今後対象となるかについては、制度改正により変動する可能性があります. 具体的な時期について確たる公表情報がない段階では断定を避け、申請時点で出入国在留管理庁・国土交通省の最新情報をご確認ください.

まとめ

特定技能「鉄道」は令和6年(2024年)3月29日の閣議決定により追加された4分野の一つで、対象業務は軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員の5区分です。運転士・車掌・駅係員・運行管理は運輸係員区分に含まれる業務であり、独立区分ではありません。一部解説で「運転士・車掌・駅員・車両整備・運行管理」を独立5区分とする記述がありますが、これは公式区分と異なります。

日本語能力要件は、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造の各区分がN4以上(またはJFT-Basic A2以上)、運輸係員区分はN3以上が要件です(努力目標ではありません)。技能実習2号良好修了者は対応する区分の試験が免除されます。

受入機関の対象は、鉄道事業法による鉄道事業者、軌道法による軌道経営者、鉄道・軌道の施設・車両整備・車両製造に係る事業者で、特定技能外国人の雇用形態は直接雇用に限られます鉄道分野特定技能協議会への加入(受入見込みが具体となってから申請・会費不要)、適切な支援体制の整備、労働・社会保険関係法令の遵守が必要です。登録支援機関に支援を委託する場合は、登録支援機関も協議会への加入が必要です。

運転士業務に従事させる場合は、特定技能の在留資格に加え、動力車操縦者運転免許(動力車操縦者運転免許に関する省令に基づく免許)の取得が必要です。運輸係員区分で求められるN3以上の日本語能力、鉄道用語・安全用語の理解、社内教育、養成体制を踏まえ、段階的な配置・育成計画を設計します。

鉄道は公共安全に直結する事業のため、保安教育・健康管理・緊急時対応訓練・交代制勤務の労務管理を、外国人材にも適切に適用してください。受入機関の協議会加入手続、業務区分の判定、在留資格申請、支援計画書作成、登録支援機関との委託契約整備は行政書士法人Treeにご相談ください。

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※ 本記事は執筆時点の法令(出入国管理及び難民認定法、鉄道事業法、軌道法、動力車操縦者運転免許に関する省令等)・国土交通省・出入国在留管理庁・各試験実施団体の公表情報・運用実務に基づき作成しています。試験実施状況・特定技能2号の対象範囲・協議会の運用は変更される場合があるため、最新情報のご確認と専門家へのご相談をお願いいたします。

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