建設業関連

産業廃棄物処理施設の設置許可とは?廃棄物処理法第15条・施行令第7条施設・破砕5t/日超・生活環境影響調査を解説

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産業廃棄物の中間処理施設であっても、すべての施設に廃棄物処理法第15条の施設設置許可が必要となるわけではありません。廃棄物処理法施行令第7条に列挙された産業廃棄物処理施設(15条施設)で、処理能力・施設規模が基準を超える場合に、設置場所を管轄する都道府県知事等の許可が必要です。本記事では15条施設の種類・規模要件(廃プラスチック類・木くず・がれき類の破砕施設は処理能力5t/日超等)、処分業許可(第14条第6項)との関係、生活環境影響調査、使用前検査・変更許可までを実務目線で整理します。

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目次

  1. 産業廃棄物処理施設設置許可とは
  2. 廃棄物処理法第15条施設と施行令第7条の対象施設
  3. 中間処理施設で許可が必要となる代表例(破砕5t/日超等)
  4. 許可要件と審査基準(第15条の2)
  5. 生活環境影響調査の内容
  6. 縦覧・意見書・住民説明会の位置付け
  7. 処分業許可(第14条第6項)と施設設置許可の違い
  8. 使用前検査・変更許可・軽微変更届
  9. 関連法令との関係
  10. 業務範囲の整理
  11. FAQ・まとめ

1. 産業廃棄物処理施設設置許可とは

産業廃棄物処理施設のうち、廃棄物処理法施行令第7条に列挙される種類・規模に該当する施設(15条施設)を設置する場合は、設置場所を管轄する都道府県知事等の許可(廃棄物処理法第15条第1項)が必要です。許可権者は政令市・中核市等では市長となる場合があります。

本記事はカテゴリとして建設業関連に位置付けていますが、本手続は建設業法上の許可ではなく、廃棄物処理法に基づく環境許認可です。解体工事業者・建設業者ががれき類・木くずの破砕施設や中間処理施設を自社設置・運営する場面で問題となります。

2. 廃棄物処理法第15条施設と施行令第7条の対象施設

施設設置許可の対象は、廃棄物処理法施行令第7条に列挙された施設です。「中間処理施設」一般ではなく、施行令第7条の種類・規模に該当することが必要です。

3. 中間処理施設で許可が必要となる代表例(破砕5t/日超等)

施設区分 規模要件(施行令第7条)
汚泥の脱水施設 処理能力10m³/日超
廃油の油水分離施設 処理能力10m³/日超
廃酸・廃アルカリの中和施設 処理能力50m³/日超
廃プラスチック類の破砕施設 処理能力5t/日超
木くず・がれき類の破砕施設 処理能力5t/日超
廃プラスチック類の焼却施設 処理能力100kg/日以上または火格子面積2㎡以上
産業廃棄物の焼却施設(一般) 処理能力200kg/時間以上または火格子面積2㎡以上
汚泥の焼却施設 5m³/日超または200kg/時間以上または火格子面積2㎡以上
産業廃棄物の最終処分場(遮断型・安定型・管理型) 規模にかかわらず対象

「選別施設」という独立の類型は基本的になく、選別のみを行う施設は15条施設に該当しないことが多いため、破砕・圧縮・焼却等を伴うかを個別に確認します。計画中の施設が施行令第7条のいずれの号に当たるかを、処理対象廃棄物・処理能力・施設構造の各観点から個別に確認する必要があります。

4. 許可要件と審査基準(第15条の2)

廃棄物処理法第15条の2第1項の許可基準は、施設の規模・規格そのものに加え、申請者の能力・欠格事由まで広範囲に及びます。

  • 施設の設置に関する計画が技術上の基準に適合すること(廃棄物処理法第15条の2第1項、環境省令で規定)
  • 維持管理に関する計画が維持管理の技術上の基準に適合すること
  • 施設の設置・維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境保全について適正に配慮されたものであること
  • 申請者に施設の設置・維持管理を的確かつ継続して行うに足りる知識・技能・経理的基礎があること
  • 申請者が欠格要件に該当しないこと

※施設の種類・規模(15条施設に該当するか)は廃棄物処理法施行令第7条で定められており、技術上の基準そのものは第15条の2第1項および環境省令(廃棄物処理法施行規則)で定められます。「技術上の基準=施行令第7条」という対応関係ではない点に注意してください。

5. 生活環境影響調査の内容

施設設置許可申請には、生活環境影響調査の結果を記載した書類を添付します。実務上「ミニアセス」と呼ばれることがありますが、環境影響評価法上の環境アセスメントとは別制度です。施設の設置計画・維持管理計画に生活環境保全上の配慮を反映させるために行います。

環境省「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」によれば、基本的な調査事項は大気環境(大気質・騒音・振動・悪臭)および水環境(水質・地下水)を中心に、施設の種類・規模、処理対象廃棄物の性状、地域特性を踏まえて調査項目を選定します。土壌は標準項目ではなく、施設特性により個別検討となります。調査しない項目がある場合は、その理由を明記します。

6. 縦覧・意見書・住民説明会の位置付け

焼却施設・最終処分場・PCB処理施設・廃石綿等または石綿含有産業廃棄物の溶融施設など、法令上対象となる一定施設では、都道府県知事等により、申請書および生活環境影響調査書の縦覧、利害関係者の意見書提出、市町村長の意見聴取、専門家の意見聴取等の手続が行われます。

縦覧期間・意見書提出期間・公告方法は、廃棄物処理法、施行規則、自治体条例・要綱に従って確認します。

住民説明会については、廃棄物処理法上すべての施設で一律に義務付けられるものではありませんが、自治体の条例・要綱・事前協議制度により実施が求められることが多いため、設置場所の自治体ルールを確認します。

7. 処分業許可(第14条第6項)と施設設置許可の違い

許可の種類 根拠条文 対象
産業廃棄物処分業許可 廃棄物処理法第14条第6項 他人の産業廃棄物の処分を業として行う事業者(事業者単位、5年ごと更新)
特別管理産業廃棄物処分業許可 同法第14条の4第6項 感染性廃棄物・廃PCB等・廃石綿等の処分業者
産業廃棄物処理施設設置許可 同法第15条 施行令第7条に該当する施設(施設単位)

他人の産業廃棄物を受け入れて中間処理業を行う場合は、処分業許可と、施設が15条施設に該当する場合の施設設置許可の双方が必要です。一方、自社廃棄物を自社施設で処理する場合は他人の廃棄物の処分業ではないため処分業許可は不要ですが、施設が15条施設に該当すれば施設設置許可は必要です。逆に、施行令第7条に該当しない処理施設で処分業を行う場合は、処分業許可のみで足り、施設設置許可は不要です。

8. 使用前検査・変更許可・軽微変更届

施設設置許可を受けた後も、直ちに使用開始できるわけではありません。許可に係る産業廃棄物処理施設について、都道府県知事等の使用前検査を受け、申請書に記載した設置計画に適合していると認められた後でなければ、当該施設を使用することはできません(廃棄物処理法第15条の2第5項)。

許可取得後の運用では、維持管理に関する計画に従い、処理量、運転条件、点検、排ガス・排水、騒音・振動・悪臭対策、残さ処理、事故時対応等を管理します。焼却施設・最終処分場等では、維持管理状況の記録・閲覧・公表定期検査変更許可・軽微変更届等が問題となるため、許可取得後の管理体制もあわせて設計します。

9. 関連法令との関係

産業廃棄物処理施設の設置にあたっては、廃棄物処理法以外にも以下の関連法令の確認が必要です。

  • 建築基準法(建築確認)
  • 都市計画法(用途地域・開発許可)
  • 農地法(農地転用許可)
  • 消防法
  • 大気汚染防止法・水質汚濁防止法
  • 騒音規制法・振動規制法・悪臭防止法
  • 土壌汚染対策法
  • 自治体条例・指導要綱(事前協議制度等)

10. 業務範囲の整理

行政書士業務範囲

  • 産業廃棄物処分業許可申請(第14条第6項・第14条の4第6項)
  • 産業廃棄物処理施設設置許可申請(第15条)
  • 変更許可申請・軽微変更届の作成・提出
  • 生活環境影響調査書の行政提出用資料の整理、許可申請書との整合確認、添付書類の取りまとめ
  • 住民説明会が必要となる場合の説明資料案・開催通知案・議事録整理・行政提出用資料の整備

業務範囲外(連携先専門家)

  • 現況測定、予測計算、影響分析、環境保全措置の技術的検討、調査結果の専門的評価(環境コンサルタント)
  • 施設設計・建設、処理方式の技術説明(施設設計業者・メーカー・建設業者)
  • 住民との交渉、紛争対応、補償交渉、法的代理対応(弁護士)
  • 担保権実行による不動産喪失時の税務等、許可取得後の税務処理(税理士)

11. FAQ|よくあるご質問

Q. 処分業許可と施設設置許可は両方必要ですか?
A. 他人の産業廃棄物を受け入れて中間処理業を行い、かつ施設が施行令第7条の15条施設に該当する場合は両方必要です。自社廃棄物を自社施設で処理する場合は処分業許可は不要、15条施設に該当しない施設で処分業を行う場合は施設設置許可は不要となるため、事案別の判断が必要です。

Q. 破砕施設の規模要件はどのくらいですか?
A. 廃プラスチック類・木くず・がれき類の破砕施設は処理能力5t/日超で施行令第7条施設に該当します。日量100tといった大規模基準ではなく、5t/日超で15条施設となる点に注意が必要です。

Q. 生活環境影響調査の期間はどのくらいですか?
A. 施設の種類・処理能力・立地・調査項目・自治体の事前協議制度・条例手続・住民説明の要否により大きく異なります。生活環境影響調査だけでも、現況把握・予測・影響分析・調査書作成に数か月以上を要することがあります。焼却施設・最終処分場等では縦覧・意見聴取・専門家意見等の手続も加わるため、全体では半年から1年以上を見込む事案もあります。

Q. 住民の反対があると不許可になりますか?
A. 住民の反対があることだけで直ちに不許可になるとは限りませんが、提出された意見は生活環境保全上の配慮を審査するうえで重要な資料となります。単に技術基準を満たすだけでなく、大気・騒音・振動・悪臭・水質・地下水・搬入車両動線・保管方法等について、周辺地域の生活環境保全に適正な配慮がなされていることを説明する必要があります。

Q. 施設設置許可を取得すればすぐに使用開始できますか?
A. できません。許可取得後、都道府県知事等の使用前検査を受け、申請書記載の設置計画に適合していると認められた後でなければ施設を使用できません(廃棄物処理法第15条の2第5項)。

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まとめ

産業廃棄物処理施設のうち、廃棄物処理法施行令第7条に列挙される種類・規模に該当する施設(15条施設)の設置は、廃棄物処理法第15条に基づき都道府県知事等の許可が必要です。すべての中間処理施設が15条施設になるわけではなく、施行令第7条への該当性を施設種類・処理対象廃棄物・処理能力ごとに個別確認する必要があります。

主な規模要件は、廃プラスチック類・木くず・がれき類の破砕施設で処理能力5t/日超、廃プラスチック類の焼却施設で処理能力100kg/日以上または火格子面積2㎡以上、産業廃棄物の焼却施設一般で処理能力200kg/時間以上または火格子面積2㎡以上、汚泥の脱水施設で10m³/日超、廃酸・廃アルカリ中和施設で50m³/日超等です。最終処分場(遮断型・安定型・管理型)は規模にかかわらず15条施設に該当します。

許可要件は廃棄物処理法第15条の2第1項に定められ、施設・維持管理計画が技術上の基準に適合すること、周辺地域の生活環境保全への適正配慮、申請者の能力・経理的基礎、欠格要件非該当が審査されます。焼却施設・最終処分場等の一定施設では、申請書・生活環境影響調査書の縦覧・利害関係者の意見書提出・市町村長の意見聴取が行われ、自治体条例・要綱により住民説明会が求められることもあります。

処分業許可(第14条第6項、特管廃は第14条の4第6項)と施設設置許可(第15条)は別制度で、他人の廃棄物の中間処理業+15条施設の場合に両方必要となります。許可取得後も、使用前検査(第15条の2第5項)を経なければ施設を使用できず、維持管理記録・公表・定期検査・変更許可等の許可後管理が継続します。

処分業許可申請・施設設置許可申請・変更許可申請、生活環境影響調査書の行政提出用資料整理は行政書士業務として対応します。現況測定・予測計算・環境保全措置の技術的検討は環境コンサルタント、施設設計・建設は施設設計業者・メーカー、住民との交渉・紛争対応は弁護士、施設運営に伴う税務処理は税理士の業務範囲となります。建築基準法・都市計画法・大気汚染防止法・水質汚濁防止法・土壌汚染対策法・自治体条例等の関連手続もあわせて確認します。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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