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家族葬の進め方ガイド|費用相場・参列者への連絡・準備の流れを解説

更新: 約13分で読めます

「父が亡くなりそうで、家族葬で静かに見送りたい」「一般葬と比べて費用や準備はどう違うのか」——少人数で故人を見送る家族葬は、コロナ禍以降に急速に広がり、いまや葬儀全体の半数近くを占めるスタイルとなりました。ただし、参列者が限定される分、近親者以外への連絡や香典辞退の伝え方など、一般葬とは違う注意点もあります。この記事では、家族葬の進め方・費用相場・親族や関係者への連絡方法を行政書士の視点で整理します。

結論として、家族葬は概ね10〜30名程度の近親者のみで執り行う葬儀形式で、全国平均の費用は約105.7万円(鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」2024年調べ)です。一般葬(平均161.3万円)と比べて約55万円程度安く抑えられますが、通夜・告別式・火葬の基本的な流れは同じです。参列を辞退する関係者には、葬儀前または葬儀後に適切な方法で連絡を入れることがトラブル防止のポイントです。

「家族葬後の相続手続きまで一括で相談したい」「死後事務委任契約で葬儀の段取りを自分で決めておきたい」「おひとりさまで身寄りがいないので葬儀・死後の手続きを事前に決めておきたい」とお悩みの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。

当事務所のサポート範囲

  • 🔹 生前準備:遺言書作成、死後事務委任契約、任意後見契約、エンディングノート作成支援
  • 🔹 葬儀後の相続手続き:相続人調査(戸籍収集)、相続関係説明図作成、遺産分割協議書作成、預貯金解約手続き、不動産名義変更(司法書士連携)
  • 🔹 税務連携:相続税申告が必要な場合の税理士連携

死後事務委任から相続手続きまでトータルでサポートします。相談は何度でも無料・全国対応です。

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家族葬とは

家族葬の定義と特徴

家族葬は、遺族・近親者・故人の親しい友人など限定された範囲の参列者で執り行う葬儀形式を指します。明確な定義はありませんが、参列者数は概ね10〜30名程度とするのが一般的です。

形式としては通夜・告別式・火葬の流れを踏む点は一般葬と同じですが、参列者を絞ることで以下のような違いが生じます。

  • 会場が小規模になり会場費・装飾費が抑えられる
  • 会葬者への返礼品・会葬御礼状の数が少ない
  • 通夜振舞・精進落としの会食費が抑えられる
  • 遺族がゆっくり故人と向き合える時間が確保しやすい

家族葬が選ばれる理由

家族葬が普及した背景には、以下の社会的事情があります。

  • 高齢化により故人の友人・仕事関係者が既に他界しているケースが増加
  • 核家族化で親族間の付き合いが希薄化
  • 葬儀費用の透明化・シンプル化へのニーズ
  • コロナ禍以降の大人数集合を避ける傾向の定着

家族葬のメリットとデメリット

観点 メリット デメリット
費用 会場費・飲食費・返礼品費が抑えられる 香典収入が減るため実質負担差は縮小
時間 遺族が故人とゆっくり向き合える 後日の弔問対応で負担が増えることも
人間関係 参列者と深い別れの時間を持てる 参列辞退者との関係悪化リスク
準備 連絡範囲が限定的でシンプル 参列範囲の線引きで家族内の意見調整が必要
宗教儀式 従来形式を踏襲可能 一般葬と基本的流れは同じ(簡略化のメリット限定的)

家族葬の費用相場

家族葬の費用は地域・参列人数・会場・祭壇ランクにより大きく異なります。2024年の鎌倉新書調査(第6回お葬式に関する全国調査)による全国平均は以下のとおりです。

家族葬の費用内訳(2024年調査平均)

費目 全国平均
葬儀一式(基本料金:斎場使用料・祭壇・棺・搬送費等) 72.0万円
飲食費(通夜振舞・精進落とし) 17.1万円
返礼品費(香典返し) 16.5万円
小計(基本料金・飲食費・返礼品の合計) 105.7万円
お布施・戒名料(別途、宗教者への謝礼) 15〜50万円(宗派・戒名ランクによる)
総額目安 120〜155万円程度

葬儀種別別の費用相場比較

葬儀種別 全国平均費用 特徴
一般葬 161.3万円 会葬者30名以上の大規模葬儀
家族葬 105.7万円 近親者中心・10〜30名程度
一日葬 87.5万円 通夜を省略・告別式と火葬のみ
直葬・火葬式 42.8万円 宗教儀式なし・火葬のみ

出典:鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」

一般葬と比較すると、家族葬は合計で約55万円程度安く抑えられるのが一般的です。ただし、参列者が少ない分香典収入も減るため(家族葬の香典平均:約30万円/一般葬:約80万円)、遺族の手元負担額(収入差引後の実質負担)では差が縮まるケースもあります。

参列人数別の費用目安

参列人数 費用目安(基本料金+飲食+返礼品)
10名程度 60〜90万円
20名程度(平均的な家族葬) 90〜120万円
30名程度 110〜140万円

※ お布施・戒名料は別途15〜50万円/地域・会場・祭壇ランクで変動します。

葬儀費用を軽減する給付金制度

故人が加入していた医療保険の種類に応じて、葬儀費用の一部を補填する給付金制度があります。申請しないと支給されないため、死亡届の提出と合わせて手続きを進めましょう。

  • 国民健康保険の葬祭費:市区町村により3〜7万円(東京23区7万円、横浜市5万円等)。申請期限は葬儀から2年以内、申請先は市区町村役場
  • 健康保険(協会けんぽ・組合健保)の埋葬料:一律5万円。申請期限は死亡日の翌日から2年以内、申請先は加入していた健康保険組合
  • 後期高齢者医療制度の葬祭費:市区町村により3〜7万円

申請には葬儀の領収書・死亡診断書コピー等が必要です。

葬儀費用は相続税の控除対象

被相続人の葬儀費用は、相続税の計算時に債務控除として相続財産から差し引けます(相続税法13条1項2号)。控除対象となる主な費用は以下のとおりです。

  • 葬儀一式費用(会場費・祭壇・棺・人件費等)
  • 火葬料・埋葬料
  • 通夜振舞・精進落としの費用
  • お布施・戒名料(宗教者への謝礼)
  • 納骨費用(四十九日時の納骨も含む)

一方、控除対象外は以下です。

  • 香典返し(香典が非課税のため)
  • 墓地・墓石の購入費用
  • 初七日・四十九日以降の法要費用

葬儀費用の領収書・お布施の支払記録は相続税申告に必要となるため、保管しておきましょう。詳細は税理士にご相談ください。

家族葬の進め方

Step 1: 葬儀社の選定(生前/逝去直後)

理想的には生前に葬儀社と事前相談・見積を済ませておくのが望ましいですが、逝去直後からの手配も可能です。葬儀社を選ぶ際のポイントは以下です。

  • 家族葬を取り扱う実績があるか
  • 見積書の項目別の内訳が明確か
  • 追加料金が発生する条件が事前に説明されるか(ドライアイス追加料金、安置日数制限等)
  • 24時間対応の窓口があるか

【地域注意】火葬待ちの可能性:鎌倉新書2024年調査では火葬までの日数は「亡くなってから2日後」が全国最多ですが、関東地方、特に冬季は人口に対する火葬炉数が限られるため火葬待ちが発生する傾向があります。葬儀日程に余裕を持った対応が必要です。

Step 2: 死亡届・火葬許可証の取得

医師から死亡診断書を受け取ったら、7日以内に死亡届と火葬許可申請書を市区町村役場に提出します(戸籍法86条1項)。多くの葬儀社が提出を代行してくれますが、届出資格者は戸籍法87条に定められており、順位者であれば順序にかかわらず届出ができます。

戸籍法87条の届出人順位

  1. 第1順位:同居の親族
  2. 第2順位:その他の同居者
  3. 第3順位:家主・地主・家屋管理人・土地管理人
  4. 第4順位:同居の親族以外の親族、後見人・保佐人・補助人・任意後見人

死亡届を提出する際、同時に火葬許可申請書を提出し、火葬許可証が発行されます。火葬許可証は火葬当日に火葬場へ提出します。詳細は「死亡届と火葬許可申請の手続き」をご参照ください。

Step 3: 参列者の決定と連絡

家族葬の参列者は、基本的には故人の家族・兄弟姉妹・孫・故人と生前親しかった友人など数名〜30名程度です。参列を依頼する相手には、電話や口頭で個別に連絡するのが一般的です。

参列を辞退してもらう関係者(職場同僚・遠縁の親戚等)には、以下の対応が推奨されます。

  • 葬儀前に連絡する場合: 「家族葬で執り行うため、ご参列はご遠慮いただきたい」と伝える
  • 葬儀後に報告する場合: 死亡の事実と家族葬で終えたことを事後報告として通知

参列辞退の連絡文例

〇〇(続柄・氏名)儀、去る〇月〇日に〇〇歳で永眠いたしました。
生前のご厚誼に深く感謝申し上げます。
葬儀につきましては、故人の遺志により近親者のみの家族葬にて執り行う予定です。
誠に勝手ながら、ご参列・ご香典・ご供花はご辞退申し上げます。
後日、改めてご報告させていただきます。

葬儀後の事後報告の文例

〇〇(続柄・氏名)儀、去る〇月〇日に〇〇歳で永眠いたしました。
誠に勝手ながら、故人の遺志により近親者のみで家族葬を相営みました。
本来であれば早速お知らせすべきところ、ご通知が遅れましたこと深くお詫び申し上げます。
生前中に賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます。

Step 4: 通夜・告別式・火葬

通夜(1日目夜)→告別式(2日目午前)→出棺・火葬(2日目昼)→初七日法要(繰り上げ)→会食という流れが典型的です。宗教者の読経・焼香は一般葬と同様です。

Step 5: 初七日・四十九日法要・納骨

初七日は告別式当日に繰り上げて行うのが一般的です。四十九日法要は葬儀後約49日後に行い、同日に納骨することが多いです。納骨には埋葬許可証が必要で、これは実務上、火葬場で火葬執行済の印が押された火葬許可証がそのまま埋葬許可証として扱われます(墓地埋葬法第5条、第14条)。火葬後に骨壺と一緒に返却されるので、紛失しないよう大切に保管してください(紛失時は発行した市区町村役場で5年以内なら再発行可能、手数料は自治体により300〜400円程度)。

死後事務委任契約もご検討ください

おひとりさまや身寄りの少ない方は、生前に死後事務委任契約を結んでおくことで、亡くなった後の事務手続きを信頼できる代行者に任せることができます。

死後事務委任契約で委任できる主な内容

  • 葬儀・火葬・納骨の手配
  • 死亡届・火葬許可申請等の行政手続き
  • 医療費・入院費等の精算
  • 年金・健康保険の手続き
  • 遺品整理・家財処分
  • 賃貸住宅の退去・敷金精算
  • 公共料金・携帯電話の解約
  • SNS・ネットサービスのアカウント停止
  • ペットの引渡し

組み合わせると効果的な契約

  • 遺言書:財産の承継先を決める(死後事務委任では財産処分はできないため、セットで必要)
  • 任意後見契約:判断能力低下後の生前の財産管理・身上監護
  • 見守り契約:任意後見開始前の定期連絡
  • ✔ 死後事務委任契約の作成サポート
  • ✔ 遺言書・任意後見契約との併用アドバイス
  • ✔ おひとりさまの終活一式をパッケージ対応
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家族葬で気をつけたいトラブル

参列を断られた親族・知人との関係悪化

「家族葬」と伝えても「故人に最後のお別れをしたかった」と感じる方は少なくありません。特に遠方の親戚や古くからの友人は、葬儀後に訃報を聞いて驚き、関係がこじれるケースもあります。後日、簡単なお別れ会や偲ぶ会を開催することで、こうしたトラブルを緩和できます。

香典・弔問対応の想定

家族葬では香典辞退を明示する場合が多いですが、どうしても持参される方がいるほか、後日自宅に弔問に来る方もあります。「参列は辞退したが香典・供花は受け取る」のか「一切辞退する」のか、方針を家族内であらかじめ決めておくことが重要です。

会社・職場への連絡

故人が現役で働いていた場合、会社への連絡方法にも配慮が必要です。通常は「家族葬で執り行うため、弔問・参列は辞退したい」「訃報の連絡はあくまで個人名でお願いしたい」等の希望を伝えます。

よくある質問

Q. 家族葬の参列者に範囲の決まりはありますか?

法律上の決まりはありません。一般的には配偶者・子・兄弟姉妹・孫までを含めるケースが多いですが、故人が特に親しくしていた友人やお世話になった人を含めても問題ありません。大切なのは「誰を呼び、誰を呼ばないか」を遺族で事前に決めて統一した対応を取ることです。

Q. 家族葬では訃報を新聞や社内回覧で出すべきではないですか?

家族葬で参列者を絞る以上、訃報をあまり広く知らせないのが原則です。どうしても報告が必要な職場・近隣には「葬儀は家族葬で終えた」旨を事後的に伝えるのが実務的です。

Q. 香典を持参した方にはどう対応すればよいですか?

香典辞退を伝えていても持参される方がいる場合、その場でお断りするのが正式な対応ですが、気持ちを無下にしないよう配慮が必要です。受け取った場合は後日香典返しを送るのが礼儀です。

Q. 家族葬でも戒名は必要ですか?

仏式で宗教者に読経を依頼する場合、戒名をつけるのが一般的です。戒名を希望しない場合は、僧侶を呼ばない「無宗教葬」や「直葬(火葬式)」を選ぶ方法もあります。戒名料の相場は以下のとおりですが、宗派・寺院・地域により幅があります。

戒名のランク 相場
信士・信女(しんじ・しんにょ) 20〜40万円
居士・大姉(こじ・たいし) 40〜60万円
院信士・院信女 60〜80万円
院居士・院大姉 100万円〜

菩提寺がない場合は「よりそうお坊さん」「お坊さん便」等の僧侶派遣サービス(定額5〜10万円程度)を利用する選択肢もあります。

Q. 家族葬の費用を故人の口座から支払えますか?

故人名義の口座は死亡を金融機関が把握した時点で凍結されるため、原則として自由に引き出せません。ただし、2018年改正民法(2019年7月1日施行)で遺産分割前の預貯金払戻し制度(民法909条の2)が設けられ、各相続人が家庭裁判所の判断を経ずに単独で一定額を引き出せるようになりました。

単独で払戻しを受けられる金額

  • 口座ごとに「相続開始時の預金額 × 1/3 × 払戻しを求める相続人の法定相続分」で計算
  • ただし、同一金融機関(複数支店含む)からの払戻し合計は150万円が上限(法務省令第29号)

注意点:払戻しを受けた金額を葬儀費用に充てる場合、民法921条1号の「相続財産の処分」に該当して法定単純承認(=相続放棄できなくなる)となるリスクがあります。判例(大阪高裁決定平成14年7月3日)は社会常識に適った金額の葬儀費用なら法定単純承認には該当しないとしていますが、相続放棄を検討している場合は領収書を保管し、遺産に手を付けない運用が安全です。詳細は「遺産分割前の預貯金払戻し制度とは?」をご参照ください。

まとめ

  • 家族葬は近親者中心の10〜30名程度の葬儀で、費用は全国平均100〜150万円が目安
  • 通夜・告別式・火葬の基本的な流れは一般葬と同じ
  • 参列者を絞る分、参列辞退の連絡方法にトラブル防止の配慮が必要
  • 生前に葬儀社と相談し、死後事務委任契約を活用するとスムーズ
  • 費用支払いは原則遺族負担だが、預貯金仮払い制度も活用可能

葬儀の生前予約については「葬儀の生前予約ガイド」、散骨については「散骨の法律と手続きガイド」、認知症前の法的手続きについては「認知症になる前にやるべき法的手続き5選」をご参照ください。

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※ 本記事の内容は2026年4月時点の一般的な情報に基づく解説であり、葬儀費用・戒名料等は地域・宗派により異なります。相続税の詳細は税理士にご相談ください。

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