ごみ収集の現場で使われる「パッカー車」は、道路運送車両法の世界では「塵芥車(じんかいしゃ)」という名称で扱われます。ナンバープレートの分類番号は8から始まり、いわゆる8ナンバー(特種用途自動車)として登録されます。ところが、実際に架装メーカーから車両を受け取って登録手続に進もうとすると、「圧縮機構があれば8ナンバーになるのか」「ダンプ式でも塵芥車になるのか」「廃棄物処理業の許可証を運輸支局に出す必要があるのか」といった疑問にぶつかります。
塵芥車の8ナンバー登録は、国土交通省の通達(用途区分通達および細部取扱通達)が定める構造要件を一つずつ満たしているかどうかで判定されます。この記事では、塵芥車の構造要件を通達の条文に沿って逐条で読み解き、新規検査と構造等変更検査のどちらのルートになるのか、必要書類は何か、車検の有効期間はどう決まるのかまで、実務目線で解説します。あわせて、車両の登録とは別に必要になる廃棄物処理業の許可や車体表示義務、緑ナンバーの要否についても整理します。
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目次
塵芥収集車(パッカー車)の法令上の名称と8ナンバーの根拠
「パッカー車」「ごみ収集車」「じんかい車」など、現場では複数の呼び方が混在しています。しかし登録・検査の手続では呼称を統一しておかないと話が通じません。法令・通達上の正式な車体の形状の名称は「塵芥車」です。申請書や打合せの場面では、この名称を使うのが確実です。
分類番号「8」の根拠は自動車登録規則の別表第二
8ナンバーという呼び方は通称ですが、その根拠は明確です。自動車登録規則第13条第1項第2号は、自動車登録番号を構成する要素の一つとして「自動車の種別及び用途による分類番号を表示する二字以下のアラビア数字又は最初の字がアラビア数字であつて、その他の字がアラビア数字若しくはローマ字若しくはこれらの組合せである三字(別表第二)」を定めています。
そして同規則の別表第二は、自動車の範囲と分類番号を対応させています。このうち第6項が「散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車その他特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車」であり、これに対応する分類番号として「8、80から89まで、800から899まで、80Aから89Zまで、8A0から8Z9まで及び8AAから8ZZまで」が割り当てられています。塵芥車が8ナンバーになるのは、この別表第二第6項に該当するからです。
なお同じ別表第二では、第1項が「貨物の運送の用に供する普通自動車」で分類番号1系、第4項が「貨物の運送の用に供する小型自動車」で分類番号4系および6系とされています。塵芥車のベースは貨物自動車のシャシであることが通常ですから、架装の内容次第で1ナンバー・4ナンバーのままになるのか8ナンバーになるのかが分かれる、という構造になっています。
判定のよりどころは2本の通達
特種用途自動車に該当するかどうかは、次の2本の通達によって判定されます。
- 用途区分通達……「自動車の用途等の区分について(依命通達)」(昭和35年9月6日付け自車第452号。その後複数回改正)。自動車の用途を乗用・乗合・貨物・特種用途などに区分する枠組みそのものを定めています。
- 細部取扱通達……「『自動車の用途等の区分について(依命通達)』の細部取扱いについて」(平成13年4月6日付け国自技第50号。その後改正を重ね、キャンピング車等の構造要件の見直しに係る改正が令和4年3月1日付け国自整第278号で行われています)。用途区分通達を定量的に判断するために、車体の形状ごとの構造要件を具体的に定めています。
細部取扱通達の別添には、救急車からキャンピングトレーラまで78の車体の形状それぞれについて構造要件が一覧化されています。塵芥車はこのうち「3-1 用途区分通達4-1-3(1)の自動車(15形状)」に置かれています。
ここで押さえておきたいのは、平成13年に構造要件が具体化された背景です。用途区分通達の同年改正(平成13年4月6日付け国自技第49号)の主文には、検査時にだけ特種設備を装備して登録し直後に取り外すといった不正使用が多発したこと、当時の構造要件が抽象的で申請者との間にトラブルが多発していたことが記されています。つまり現在の構造要件は「書面だけ整えれば通る」という性格のものではなく、現車の構造を要件に照らして確認するためのものです。この趣旨を理解しておくと、架装内容の確認をなぜ丁寧にやるべきかが腑に落ちます。
8ナンバーの全体像や他の車体の形状との関係については、8ナンバー特種用途自動車の種類一覧|放送宣伝車・救急車・冷蔵冷凍車の登録要件もあわせてご覧ください。
特種用途自動車(8ナンバー)はどう判定されるか
塵芥車の構造要件に入る前に、その上位にある枠組みを押さえておく必要があります。塵芥車の4つの構造要件だけを満たしても、上位の要件を外していれば特種用途自動車にはなりません。
用途区分通達4-1が定める3つの入口要件
用途区分通達4-1は、特種用途自動車等を「主たる使用目的が特種である自動車であって、次の(1)から(3)のすべてを満足するもの」と定義しています。
- (1) 主たる使用目的遂行に必要な構造及び装置を有し、かつ、4-1-1、4-1-2又は4-1-3のいずれか1つに該当するものであること。
- (2) 最大積載量を有する自動車にあっては、自動車の乗車設備と物品積載装置との間には、適当な隔壁又は保護仕切等を備えたものであること。ただし、最大積載量500kg以下の自動車で乗車人員が座席の背あてにより積載物品から保護される構造と認められるものは、この限りでない。
- (3) 一定の除外類型に該当する自動車でないこと(詳しくは後述します)。
塵芥車は最大積載量を有する自動車ですから、(2)の隔壁要件は当然に効いてきます。塵芥車固有の構造要件の第1号でも隔壁が求められており、二重に確認されることになります。
設備の固定方法は「注7」で厳格に定められている
(1)の「主たる使用目的遂行に必要な構造及び装置を有し」については、用途区分通達の注7が具体的な意味を与えています。すなわち、車枠又は車体に、特種な目的遂行のための設備がボルト、リベット、接着剤又は溶接により確実に固定されているものをいう、とされています。
そのうえで注7は、「蝶ねじ類、テープ類、ロープ類、針金類、その他これらに類するもので取り付けられた設備は、確実に固定されているものに該当しない」と明記しています。塵芥車の場合、収納設備や積込装置はもともと車枠に架装されるものですから実務上問題になることは多くありませんが、後付けの附属装置を追加した場合には固定方法が問われます。この固定要件の考え方は他の8ナンバー車と共通で、加工車・工作車の8ナンバー登録|作業機械の固定・電源・架装の構造要件でも同じ論点が出てきます。
4-1-3が重ねて求める3つの共通要件
塵芥車が属する用途区分通達4-1-3は「特種な目的に専ら使用するための自動車」の区分で、次の3要件をすべて満たすことを求めています。
- ① 車体の形状ごとに別途定める構造上の要件に適合する設備を、運転者席以外に有していること。
- ② 乗車設備及び物品積載設備を最大に利用した状態で、水平かつ平坦な面(基準面)に特種な設備を投影した場合の面積(「特種な設備の占有する面積」)が1平方メートル以上(軽自動車にあっては0.6平方メートル)であること。
- ③ 特種な設備の占有する面積が、運転者席を除く客室の床面積及び物品積載設備の床面積並びに特種な設備の占有する面積の合計面積の2分の1を超えること。
②③の面積は、用途区分通達の注10・注11の定義に従って算定します。注10は「特種な設備の占有する面積」に含めない部位を列挙しており、乗車人員の携帯品の積載箇所と認められるところ(トランク、ラゲッジスペース、グローブボックス、ルーフ・ラック等)、乗車装置の座席、座席の上方又は下方、座席の前縁から前方250mmまでの床面、特種な設備の投影部位と物品積載設備の投影部位が重なる部位、当該自動車の修理等に使用する工具等を収納する荷箱などが除外対象とされています。
面積要件の判定は、最終的には現車を確認する運輸支局等が行います。実務では、架装メーカーが用意する諸元表や架装図面をもとに、事前に数値を押さえておくのが確実です。
塵芥車には「使用者特定書面」の提出が求められない
意外に知られていないのが、この点です。細部取扱通達の別添冒頭にある共通事項(「用途区分通達4-1-1、4-1-2及び4-1-3の各自動車の構造要件(共通事項)」)には、使用者特定書面一覧表が置かれています。
この一覧表では、用途区分通達4-1-1の自動車(救急車・消防車などの緊急自動車)は全ての車体の形状について「◎(提出が必要)」とされ、公安委員会から緊急自動車として指定又は届出されていることを証する書面の提出が求められます。4-1-2の自動車(給水車・医療防疫車・霊柩車・教習車など)も、車体の形状ごとに事業を特定するための書面が「◎」とされています。
これに対して、用途区分通達4-1-3の自動車は「全ての車体の形状」について「×(提出が不必要)」と明記されています。塵芥車は4-1-3(1)に属しますから、車体の形状を「塵芥車」と判定してもらうために廃棄物処理業の許可証などを運輸支局に提出する必要はありません。判定はあくまで構造要件への適合で行われます。
ただしこれは「廃棄物処理業の許可が不要」という意味ではまったくありません。車両の登録・検査と、廃棄物処理業の許可はまったく別系統の手続です。後段で詳しく整理します。なお、共通事項の注記では「道路作業車」又は「検査測定車」については構造要件を参照するよう案内されています。
塵芥車の構造要件|通達が定める4つの号
いよいよ本題です。細部取扱通達の別添は、塵芥車の構造要件を次のとおり定めています。原文は「塵芥を専用に運搬するために使用する自動車であって、次の各号に掲げる構造上の要件を満足しているものをいう。」という書き出しで始まり、4つの号が続きます。
第1号|塵芥を収納する物品積載設備と隔壁による区分
第1号は「塵芥を収納する物品積載設備を有し、かつ、客室(客室がない場合は、運転者席)と隔壁により区分されていること」と定めています。
ここで求められているのは「隔壁」であって、保護仕切ではありません。用途区分通達4-1(2)が最大積載量を有する自動車一般について「適当な隔壁又は保護仕切等」を求めているのに対し、塵芥車の第1号は隔壁による区分を明示的に求めています。パッカー車の収納箱(荷箱)はもともとキャブと明確に分離された密閉構造ですから、通常の架装であればこの要件で問題が生じることはありません。
また、「塵芥を収納する物品積載設備」という表現も重要です。単に塵芥を積める荷台があるというだけでは足りず、塵芥を収納するための設備であることが求められます。
第2号|収集した塵芥を積み込むための適当な大きさの投入口
第2号は「1の物品積載設備には、収集した塵芥を積み込むための適当な大きさの投入口を有すること」と定めています。
「適当な大きさ」という定性的な表現であり、細部取扱通達は塵芥車について具体的な寸法値を置いていません。実際のパッカー車では、車体後部のテールゲート側に作業員が袋やバケツを投入できる開口が設けられており、この部分が投入口に当たります。定量的な基準がない以上、判定の余地が残る部分ですので、架装図面で投入口の位置と寸法を示せるようにしておくと手続がスムーズです。
第3号|送り込む装置等と排出するための機構
第3号が、この記事の中心となる規定です。原文は次のとおりです。
「1の物品積載設備には、投入された塵芥を1の物品積載設備に送り込む装置等及び収納した塵芥を排出するための機構を有すること。」
ここで注目していただきたいのは、構造要件の文言に「圧縮」という語が出てこないことです。通達が求めているのは、(a)投入された塵芥を収納設備に送り込む装置等と、(b)収納した塵芥を排出するための機構、という2つの機能です。圧縮そのものが要件になっているわけではありません。
実際のパッカー車では、この「送り込む装置等」として複数の方式が流通しています。架装業界で一般に使われている呼称でいえば、投入口でごみを押しつぶしたうえで圧縮板が荷箱へ押し込むプレス式(圧縮板式)、回転する板がごみをかき上げて押込板が荷箱に送り込む回転板式(巻き込み式)、円筒状のドラムが回転しながらごみを荷箱奥へ送り込むロータリー式(荷箱回転式)などがあります。排出側についても、押し出し板で排出する方式と、荷箱を傾けて排出するダンプ式があります。
方式が異なっても、第3号が求める2つの機能を備えていれば構造要件の面では同じ評価になります。「圧縮機構がないと8ナンバーにならない」という理解は、条文の読み方としては正確ではありません。逆にいえば、圧縮力の強弱は構造要件の充足・不充足を左右しないということでもあります。
一方で、単に荷箱を傾けて排出するだけで「送り込む装置等」を持たない車両は、第3号の前段を満たしません。ダンプ式の排出機構を備えていること自体は第3号後段の充足に寄与しますが、それだけでは足りない点に注意が必要です。
第4号|動力源及び操作装置
第4号は「3の設備を作動させるための動力源及び操作装置を有すること」と定めています。第3号の送り込み装置と排出機構を動かすための動力源と、それを操作する装置が必要ということです。
パッカー車では、エンジンからPTO(動力取出装置)を介して油圧ポンプを駆動し、油圧シリンダで各機構を動かす構成が一般的です。操作装置は車体後部や側面の操作パネルに設けられます。動力源が自走用エンジンから取り出されるか独立した原動機によるかは第4号の文言では限定されていませんが、いずれにせよ動力源と操作装置が現車に備わっていることを確認できる状態にしておく必要があります。
留意事項|収納設備は最大積載量を算定する
塵芥車の構造要件には、留意事項として「塵芥を収納する物品積載設備は、最大積載量を算定するものとする」と付記されています。
これは実務上きわめて重要です。8ナンバーであっても塵芥車には最大積載量が指定されるということであり、自動車検査証の最大積載量欄に数値が記録されます。この点は、最大積載量が指定されないキャンピング車などの8ナンバー車とは大きく異なります。最大積載量が指定されることは、後述する車検の有効期間の考え方や、運転に必要な免許の区分にも影響します。
なお、参考までに用途区分通達4-1-3(3)の清掃車では、留意事項として「塵芥、汚泥等を収納する物品積載設備は積載量を算定するものとする」に加えて「油圧シリンダ等の作動油、冷却水等は、車両重量に含めるものとする」と定められています。
特種用途自動車に該当しないケース|除外規定と紛らわしい車体の形状
構造要件を満たしていても、用途区分通達4-1(3)の除外規定に当たれば特種用途自動車にはなりません。また、塵芥車と似て非なる車体の形状もあり、どれを選ぶかで判定が変わります。
4-1(3)の除外規定
用途区分通達4-1(3)は、次の1から3のいずれかに該当する自動車は特種用途自動車に該当しないと定めています(4-1-1の各車体の形状の自動車は除きます)。
- 1 型式認証等を受けた自動車の用途が乗用自動車であって、車体の形状が箱型又は幌型のものであり、かつ、その車枠が改造されていないもの
- 2 型式認証等を受けた自動車の用途が貨物自動車であって、その物品積載設備の荷台部分の2分の1を超える部位が平床荷台、バン型の荷台、ダンプ機能付き荷台、車両運搬用荷台又はコンテナ運搬用荷台であるもの
- 3 型式認証等を受けた自動車の用途が貨物自動車であって、セミトレーラをけん引するための連結装置を有するもの
塵芥車で関係してくるのは主に2です。ベースが貨物自動車の型式認証を受けた車両である場合、荷台部分の2分の1を超える部位が列挙された荷台形態のままであれば、特種用途自動車には該当しないことになります。パッカー車の収納箱は塵芥を収納するための専用構造であって列挙された荷台形態とは異なりますが、架装の内容によっては確認が必要になる場面があります。
ここでいう「型式認証等を受けた自動車」については注8に定義があり、道路運送車両法第75条第1項の規定によりその型式について指定されたもの、新型自動車として届け出された型式のもの、輸入自動車特別取扱自動車として届け出された型式のもの、並行輸入自動車のうち一定のものが該当します。
清掃車との違い
最も混同されやすいのが清掃車です。清掃車は塵芥車と同じ4-1-3の中にありますが、区分が異なり、4-1-3(3)「特種な作業を行うための特種な設備を有する自動車」に置かれています。
清掃車の構造要件は「下水道等の清掃作業に使用する自動車であって、次の1又は2のいずれかに掲げる構造上の要件を満足しているものをいう」と定義されており、1は塵芥、汚泥等を収納する物品積載設備を有する清掃作業用の自動車で、清掃作業に必要なブラシ装置、吸込み装置、洗浄装置等の設備を有すること、塵芥、汚泥等を回収する装置又は収納する物品積載設備を有すること、それらを作動させる動力源及び操作装置を有することが求められます。2は1以外の清掃作業用の自動車で、下水道、建物、配電線等を清掃する高圧洗浄装置、ブラシ装置等の設備を有することなどが要件です。
つまり清掃車は「清掃作業を行うための設備」に着目した区分であり、ブラシ装置・吸込み装置・洗浄装置・高圧洗浄装置といった清掃作業用の設備が求められます。家庭ごみや事業系ごみを収集して運搬するパッカー車は、清掃作業用の設備を備えているわけではありませんから、清掃車ではなく塵芥車として扱うのが構造要件の読み方に沿います。
糞尿車・散水車との違い
糞尿車も4-1-3(1)にあり、「糞尿を回収して運搬するために使用する自動車」として、密閉されたタンク状の物品積載設備と糞尿を吸引するためのポンプ、吸入・排出用のホースを備えることなどが要件とされています。バキューム車がこちらに当たります。収納設備がタンク状であること、吸引ポンプを備えることが塵芥車との大きな違いです。タンク状の物品積載設備を持つ車両の考え方については、タンク車(給油・散水・バキューム)の8ナンバー登録と構造等変更検査|移動タンク貯蔵所・危険物の扱いで詳しく整理しています。
4-1-3(1)に置かれている15の車体の形状
参考として、塵芥車が属する用途区分通達4-1-3(1)「特種な物品を運搬するための特種な物品積載設備を有する自動車」には、次の15の車体の形状が挙げられています。
粉粒体運搬車、タンク車、現金輸送車、アスファルト運搬車、コンクリートミキサー車、冷蔵冷凍車、活魚運搬車、保温車、販売車、散水車、塵芥車、糞尿車、ボートトレーラ、オートバイトレーラ、スノーモービルトレーラ。
いずれも「特種な物品を運搬するための特種な物品積載設備」を持つ点で共通しています。同じ区分の中でも貨物(1・4ナンバー)との境目が問題になりやすい車種があり、その典型例は冷蔵冷凍車の登録区分|貨物(1・4ナンバー)と特種(8ナンバー)の判定で扱っています。
登録手続のルート|新規検査と構造等変更検査
塵芥車を8ナンバーで走らせるまでの手続は、大きく2つのルートに分かれます。どちらに当たるかで必要書類も費用も変わりますので、最初に見極めることが大切です。
ルート1|新車のシャシに架装して新規に登録する場合
架装メーカーで塵芥車として仕上げた車両を、ナンバーのない状態から登録するケースです。道路運送車両法第7条の新規登録と、同法第59条の新規検査を同時に申請します。同法第59条第2項は「新規検査(検査対象軽自動車及び二輪の小型自動車に係るものを除く。)の申請は、新規登録の申請と同時にしなければならない」と定めています。
型式指定を受けた自動車であれば、同法第7条第3項第2号により、完成検査終了証の提出をもって現車の提示に代えることができます。ただし塵芥車のように架装によって特種用途となる車両では、架装後の構造について現車提示のうえ検査を受けるのが通常の流れになります。
ルート2|既販車に架装して用途を変更する場合
すでに登録されている貨物自動車の荷台を降ろして塵芥車の架装を行う場合など、既存の車両の構造を変更するケースです。
道路運送車両法第67条第1項は「自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があつたときは、その事由があつた日から15日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない」と定めています。
そして同条第3項は、変更が国土交通省令で定める事由に該当し、保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、構造等変更検査を受けるべきことを命じなければならないとしています。この「国土交通省令で定める事由」は道路運送車両法施行規則第38条第8項に列挙されており、次の事項に係る変更が対象です。
- NOx・PM法の指定自動車における使用の本拠の位置(一定の場合)
- 自動車の長さ、幅又は高さ
- 車体の形状
- 原動機の型式
- 燃料の種類
- 自家用又は事業用の別
- 用途
- 被けん引自動車にあっては、けん引自動車の車名又は型式
- 乗車定員又は最大積載量
- けん引自動車にあっては、被けん引自動車の車名又は型式
- 施行規則第35条の3第1項第29号に掲げる事項
- 施行規則第35条の3第1項第22号ハに掲げる事項
貨物自動車を塵芥車に架装する場合、「用途」(貨物→特種)、「車体の形状」(バン・平ボディ等→塵芥車)、「最大積載量」、多くの場合は「長さ、幅又は高さ」も変わりますから、構造等変更検査の対象になります。手続の全体像は車両の構造等変更検査とは?必要書類・手続き・費用を行政書士が解説で詳しく解説しています。
予備検査というルート
架装メーカーが使用の本拠の位置が決まる前に検査を済ませておきたい場合には、道路運送車両法第71条の予備検査があります。同条第2項により保安基準に適合すると認められれば自動車予備検査証が交付され、同条第3項によりその有効期間は3か月とされています。
自動車予備検査証の交付を受けた自動車について使用の本拠の位置が定められたときは、同条第4項により、使用者が自動車予備検査証を提出して自動車検査証の交付を受けることができます。有効期間が3か月と短いため、納車スケジュールとの兼ね合いを見て使うかどうかを判断します。
なお、検査そのものの種類と位置づけについては車検の種類と有効期間|継続検査・新規検査・構造等変更検査の違いを解説を、改造車や特殊な構造の車両の審査を担う機関についてはNALTEC(自動車技術総合機構)とは|車検・構造変更・改造車審査・並行輸入車登録を解説をご参照ください。
必要書類と車庫証明の実務
ルートが決まれば、必要書類が見えてきます。運輸支局に持ち込む書類と、その前提として警察署で取得する書類の両方を段取りする必要があります。
新規登録・新規検査で用意する書類
新規登録では、道路運送車両法第7条第1項により、車名及び型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名又は名称及び住所、使用の本拠の位置、取得の原因を記載した申請書に、譲渡証明書・輸入の事実を証明する書面・その他所有権を証明するに足る書面を添えて提出し、当該自動車を提示することとされています。同条第2項により、車台番号又は原動機の型式の打刻に関する証明書その他必要な書面の提出を求められることもあります。
これに加えて実務上は、新規登録申請書(OCRシート)、所有者の印鑑証明書、代理申請の場合の委任状、手数料納付書、自動車重量税納付書、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車の保管場所を証する書面(車庫証明)などを整えます。型式指定車であれば完成検査終了証(道路運送車両法第75条第4項)またはその記載事項が登録情報処理機関に提供された旨の記載(同条第5項・第6項)を用います。
構造等変更検査で用意する書類
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトでは、構造等変更の手続に必要な書類として次のものが案内されています。
- 申請書(OCR申請書第2号様式)
- 自動車検査証
- 自動車検査票
- 点検整備記録簿
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 使用者の委任状
- 所有者の委任状(型式・車台番号・原動機の型式の変更時)
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
- 納税証明書(登録自動車は原則不要。地方税のシステムで確認できない場合は提示が必要)
塵芥車への架装では、あわせて架装内容を確認できる資料(架装メーカーの諸元表、架装図面、重量計算に関する資料など)を用意しておくと、窓口での確認が円滑に進みます。前述のとおり、車体の形状を「塵芥車」と判定してもらうための使用者特定書面は求められません。
車庫証明(自動車保管場所証明書)
自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条第1項は、道路運送車両法第4条に規定する処分(新規登録)、同法第12条に規定する処分(使用の本拠の位置の変更に係るもの)、同法第13条に規定する処分(使用の本拠の位置の変更を伴う場合)を受けようとする者は、警察署長の交付する保管場所を確保していることを証する書面を提出しなければならないと定めています。同条第2項は、書面の提出も通知もないときは処分をしないものとすると規定しています。
保管場所の要件は、同法第3条を受けた同法施行令第1条が次のとおり定めています。
- 当該自動車の使用の本拠の位置との間の距離が2キロメートルを超えないものであること(運送事業用自動車について国土交通大臣が定める地域では別の距離)
- 当該自動車が法令の規定により通行することができないこととされる道路以外の道路から当該自動車を支障なく出入させ、かつ、その全体を収容することができるものであること
- 当該自動車の保有者が当該自動車の保管場所として使用する権原を有するものであること
塵芥車は車体が大きく、収納箱を含めた全長・全幅・全高がベース車両より大きくなることが通常です。「全体を収容することができる」という要件との関係で、架装後の寸法を前提に保管場所を選定する必要があります。とくに複数台をまとめて配置する車庫では、配置図の作成段階で寸法の確認を怠らないことが重要です。
なお、同法第11条第1項は道路上の場所を自動車の保管場所として使用することを禁止しており、同法第17条第1項第2号により3月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金が定められています。また、保管場所に関する虚偽の書面を提出して同法第4条第1項の処分を受けたときは、同法第17条第2項第1号により20万円以下の罰金とされています。車庫証明の手続全般は車庫証明の取り方ガイド|必要書類・費用・手続きの流れ【2026年最新】にまとめています。
自動車検査証の有効期間と税の取扱い
「8ナンバーだから車検は2年」と単純に考えるのは危険です。有効期間は道路運送車両法第61条の構造に沿って決まります。
道路運送車両法第61条の枠組み
同条第1項は次のとおり定めています。「自動車検査証の有効期間は、旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車、貨物の運送の用に供する自動車及び国土交通省令で定める自家用自動車であつて、検査対象軽自動車以外のものにあつては一年、その他の自動車にあつては二年とする。」
ここでいう「国土交通省令で定める自家用自動車」は、道路運送車両法施行規則第37条第1項により、乗車定員11人以上の自家用自動車、専ら幼児の運送を目的とする自家用自動車、同規則第31条の3第2号の許可に係る自家用自動車とされています。
また同法第61条第2項第1号は、第1項により有効期間を1年とされる自動車のうち車両総重量8トン未満の貨物の運送の用に供する自動車および国土交通省令で定める自家用自動車について、初めて交付する自動車検査証の有効期間を2年としています。同項第2号は、第1項により2年とされる自動車のうち自家用乗用自動車および二輪の小型自動車について、初回を3年としています。
国土交通省が公表している車種別の一覧
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトでは、車種別の有効期間一覧として次のように整理されています。
- 旅客運送事業用自動車(バス、タクシー)……初回1年・2回目以降1年
- 貨物車のうちGVW8トン以上の貨物自動車……初回1年・2回目以降1年
- 貨物車のうちGVW8トン未満の貨物自動車……初回2年・2回目以降1年
- 国土交通省令で定める自家用自動車のうち乗車定員11人以上の自動車(バス)……初回1年・2回目以降1年
- 同じく幼児専用車(専ら幼児の運送を目的とする自家用自動車)……初回1年・2回目以降1年
- 同じく貸渡自動車(レンタカー)……初回2年・2回目以降1年
- その他の自動車のうち自家用乗用自動車・二輪自動車……初回3年・2回目以降2年
- その他の自動車のうちその他(大型特殊・特種自動車)……初回2年・2回目以降2年
- 検査対象軽自動車のうち乗用……初回3年・2回目以降2年、貨物……初回2年・2回目以降2年
一方で、塵芥車は前述のとおり細部取扱通達の留意事項により最大積載量が算定される自動車です。道路運送車両法第61条第1項が有効期間1年の対象として掲げる「貨物の運送の用に供する自動車」に当たるかどうかは、個々の車両の用途・構造をふまえた判断になります。
実務上の結論として最も確実なのは、交付された自動車検査証(電子車検証)に記録された有効期間を確認することです。導入台数が多い場合や運行計画に影響する場合は、登録前の段階で管轄の運輸支局に車両の諸元を示して確認しておくことをおすすめします。
税の取扱いについて
自動車に関する税については、2026年(令和8年)3月31日をもって自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割が廃止され、あわせて「自動車税種別割」は「自動車税」、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」へと名称が戻されています。
塵芥車のように用途が「特種」となる車両は、貨物自動車として登録した場合と税の区分が異なることがあります。ただし、具体的な税額の計算、税額の試算、申告書の記載方法、節税の可否といった事項は税理士の業務範囲です。当事務所では税額に関する判断は行いません。導入前に金額を把握しておきたい場合は、税理士または管轄の都道府県税事務所・運輸支局にご確認ください。
廃棄物処理業の許可・車両表示・緑ナンバーの要否
塵芥車を8ナンバーで登録できたとしても、それだけでごみの収集運搬を業として行えるわけではありません。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づく許可が別途必要です。ここを混同すると、車両は用意できたのに事業を開始できないという事態になります。
一般廃棄物の収集運搬業は市町村長の許可
廃棄物処理法第7条第1項は「一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない」と定めています。ただし書により、事業者が自らその一般廃棄物を運搬する場合、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者などは除かれます。
許可の更新期間は、同条第2項が「一年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定め、同法施行令第4条の5が「法第七条第二項に規定する政令で定める期間は、二年とする」としています。
さらに同条第5項は許可の基準を定めており、第1号として「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること」、第2号として「その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること」が挙げられています。一般廃棄物の収集運搬業許可は、市町村の一般廃棄物処理計画との整合が求められる仕組みになっており、新規参入のハードルは決して低くありません。車両を先に手配する前に、事業を行おうとする市町村の受付状況を確認しておくべき理由がここにあります。
産業廃棄物の収集運搬業は都道府県知事の許可
廃棄物処理法第14条第1項は「産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない」と定めています。こちらもただし書により、事業者が自らその産業廃棄物を運搬する場合などは除かれます。
更新期間は同条第2項および同法施行令第6条の9により、新たに許可を受けた者は5年、更新に際して優れた能力及び実績を有する者として環境省令で定める基準に適合すると認められた者は7年、それ以外の更新者は5年とされています。
産業廃棄物と一般廃棄物のどちらに当たるかの判定は、事業の設計そのものに関わります。産業廃棄物と一般廃棄物の区別・違い|20種類一覧と事業系一般廃棄物の判定方法、および産業廃棄物収集運搬業許可申請の完全ガイド|要件・JWセンター講習・5年更新を解説もあわせてご確認ください。
産業廃棄物運搬車の車体表示義務
産業廃棄物の収集運搬に用いる運搬車には、車体表示と書面備付けの義務があります。根拠は廃棄物処理法施行令第6条第1項第1号イで、「運搬車の車体の外側に、環境省令で定めるところにより、産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨その他の事項を見やすいように表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておくこと」とされています。
具体的な表示内容は同法施行規則第7条の2の2が定めており、車体の両側面に鮮明に表示することとされています。表示すべき事項は主体によって異なります。
- 事業者(自ら運搬する場合)……産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨、氏名又は名称
- 市町村又は都道府県……運搬車である旨、市町村又は都道府県の名称
- 産業廃棄物収集運搬業者……運搬車である旨、氏名又は名称、許可番号(下6けたに限る)
文字の大きさについては同条第3項が定めており、識別しやすい色の文字で表示するものとしたうえで、産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨については日本産業規格Z八三〇五に規定する140ポイント以上、それ以外の事項については90ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いることとされています。
なお、一般廃棄物の収集運搬については、同法施行令第3条第1号が収集運搬の基準として飛散・流出の防止、悪臭・騒音・振動による生活環境保全上の支障の防止、運搬車が飛散・流出・悪臭漏れのおそれのないものであることなどを定めていますが、車体外側への表示を全国一律に義務づける規定は置かれていません(船舶については表示義務があります)。一般廃棄物の収集運搬車の表示については、許可を受ける市町村の定めを確認してください。
緑ナンバー(貨物自動車運送事業の許可)は必要か
廃棄物の収集運搬に緑ナンバーが必要かどうかは、長く現場で議論されてきた論点です。この点について、令和8年3月16日付けで環境省環境再生・資源循環局資源循環課・廃棄物適正処理推進課の事務連絡および国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長の事務連絡が発出されています。
これらの事務連絡では、廃棄物処理業者が発注者である市町村や排出事業者と締結した包括的な委託等契約に基づき、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合において、当該委託等契約に基づく業務の一環として行われる運搬行為は、自己の生業である廃棄物処理業務と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる運送であることから、貨物自動車運送事業法の許可等(いわゆる緑ナンバー)を要しないものと解される旨が示されています。従前の取扱いを変更するものではなく、取扱いを明確化したものと位置づけられています。
見落としてはならないのが、あわせて示されている限定です。収集又は処分を伴わない廃棄物の運搬行為のみを行う場合には、貨物自動車運送事業法の許可等が必要とされています。運搬だけを請け負う形態は付帯業務の枠に収まりませんので、自社の受託形態がどちらに当たるのかを個別に確認しておく必要があります。貨物自動車運送事業そのものの許可要件については自動車運送事業(緑ナンバー)の許可申請|一般貨物・特定貨物の要件をご覧ください。
登録実務でつまずきやすいポイント
最後に、塵芥車の登録手続で実際に問題になりやすい点を整理します。
1|構造要件と廃棄物処理業の許可を混同してしまう
前述のとおり、用途区分通達4-1-3の自動車について使用者特定書面は「提出が不必要」とされています。廃棄物処理業の許可証を運輸支局に持参しても車体の形状の判定材料にはなりません。逆に、8ナンバーで登録できたことは廃棄物処理業の許可を得たことを何ら意味しません。2つの手続は完全に別物として管理してください。
2|面積要件を架装後に確認して手戻りする
用途区分通達4-1-3の②③は、特種な設備の占有する面積が1平方メートル以上であること、および合計面積の2分の1を超えることを求めています。注10により除外される部位もあるため、感覚で判断すると誤ります。架装の発注段階で諸元表・図面をもとに確認しておくのが安全です。
3|変更から15日以内という期限を失念する
道路運送車両法第67条第1項は、自動車検査証記録事項について変更があったときは、その事由があった日から15日以内に変更記録を受けなければならないと定めています。架装完了から運輸支局への持ち込みまでのスケジュールは、この期限を意識して組む必要があります。
4|車庫が架装後の寸法に対応していない
保管場所法施行令第1条第2号は、道路から支障なく出入させ、かつその全体を収容できることを求めています。ベース車両の寸法で車庫を押さえてしまい、架装後に収まらないというのは避けたい失敗です。とくに全高は、収納箱やテールゲートの構造によってベース車両から大きく変わります。
5|運転に必要な免許区分の確認が漏れる
塵芥車は最大積載量が算定される自動車です。道路交通法第3条と同法施行規則第2条により、自動車の種類は車両総重量・最大積載量・乗車定員を基準に区分されます。準中型自動車は車両総重量3,500キログラム以上7,500キログラム未満のもの又は最大積載量2,000キログラム以上4,500キログラム未満のもの、中型自動車は車両総重量7,500キログラム以上11,000キログラム未満のもの又は最大積載量4,500キログラム以上6,500キログラム未満のもの若しくは乗車定員11人以上29人以下のもの、大型自動車は車両総重量11,000キログラム以上のもの又は最大積載量6,500キログラム以上のもの若しくは乗車定員30人以上のものとされています。架装により車両重量が増えると、想定していた免許区分で運転できなくなることがあります。導入前に運転者の保有免許と車両の諸元を突き合わせておいてください。
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まとめ
塵芥収集車(パッカー車)の法令上の名称は「塵芥車」であり、8ナンバーの根拠は自動車登録規則第13条第1項第2号および別表第二第6項です。特種用途自動車に該当するかどうかは、用途区分通達(昭和35年9月6日付け自車第452号)と細部取扱通達(平成13年4月6日付け国自技第50号、直近改正は令和4年3月1日付け国自整第278号)が定める構造要件で判定されます。
塵芥車の構造要件は4つの号で構成されます。収納設備と客室を隔壁で区分すること、適当な大きさの投入口を備えること、投入された塵芥を送り込む装置等と収納した塵芥を排出するための機構を備えること、それらを作動させる動力源及び操作装置を備えることです。ここで重要なのは、条文の文言に「圧縮」という語が現れないという点です。プレス式・回転板式・ロータリー式といった方式の違いにかかわらず、送り込み機能と排出機能を備えていれば構造要件の面では同じ評価になります。
手続面では、新車架装なら新規登録と新規検査、既販車への架装なら構造等変更検査というルートの見極めが出発点になります。用途・車体の形状・最大積載量・寸法の変更はいずれも道路運送車両法施行規則第38条第8項に列挙された事由であり、変更から15日以内という期限も意識が必要です。車庫証明については、架装後の寸法で保管場所が全体を収容できるかを必ず確認してください。
忘れてはならないのが、車両の登録と廃棄物処理業の許可はまったく別の手続だという点です。一般廃棄物は市町村長の許可(更新期間2年)、産業廃棄物は都道府県知事の許可(更新期間5年、優良認定で7年)が必要で、産業廃棄物運搬車には車体両側面への表示義務があります。緑ナンバーの要否は令和8年3月16日付けの環境省・国土交通省の事務連絡で整理され、運搬と収集・処分を一体的に実施する場合の付帯的な運搬には許可等を要しない一方、収集・処分を伴わない運搬のみは許可等が必要とされています。
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※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。


