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介護タクシーで介護保険・障害福祉指定を併設する方法|令和6年度改定対応・訪問介護事業所指定・通院等乗降介助1回97単位・介護職員等処遇改善加算一本化・国保連請求・ケアマネ連携の実務

約18分で読めます

介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業の福祉輸送限定許可)は、道路運送法第4条第1項の許可だけでは介護保険請求はできず、利用者は運賃を実費で負担します。介護保険適用となる「介護保険タクシー」として通院等乗降介助を提供するには、法人格を有する事業者が介護保険法に基づく訪問介護事業所指定を取得する必要があります。本記事では、介護タクシーで介護保険・障害福祉指定を併設する方法、令和6年度介護報酬改定(2024年4月1日施行)後の通院等乗降介助の単位数、国保連請求、ケアマネ(介護支援専門員)連携の実務、行政書士の業務範囲を整理します。

本記事の結論:

  • 介護保険タクシーとして通院等乗降介助を算定するには、道路運送法第4条許可+介護保険法に基づく訪問介護事業所指定の両方が必要。
  • 訪問介護事業所指定の申請者は「法人」であることが必須要件(介護保険法第70条第1項)。個人事業主は不可。
  • 通院等乗降介助の介護報酬は令和6年度介護報酬改定(2024年4月1日施行)により1回99単位から97単位に引き下げ。1単位10円基本+地域単価で970円〜1,106円程度。
  • 令和6年度改定で介護職員等処遇改善加算が一本化(令和6年6月施行、Ⅰ:24.5%・Ⅱ:22.4%・Ⅲ:18.2%・Ⅳ:14.5%)。
  • 令和6年度改定で業務継続計画(BCP)未策定減算・高齢者虐待防止措置未実施減算(所定単位数の1/100)が新設。
  • 当事務所は訪問介護事業所指定申請・障害福祉サービス指定申請・道路運送法4条許可申請を担当します。

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  • 介護タクシーに介護保険指定を併設して国保連請求を始めたい
  • 訪問介護事業所指定(介護保険法)の申請を進めたい
  • 障害福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護等)の指定申請を行いたい
  • 法人設立(株式会社・合同会社・NPO法人等)から定款目的の整備までサポートが必要
  • 令和6年度介護報酬改定(処遇改善加算一本化等)に対応した運営整備をしたい
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介護保険タクシーは「道路運送法4条許可+訪問介護事業所指定」が必要

介護タクシーとして旅客を有償で運送するには、道路運送法第4条に基づく一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送限定)の許可が必要です。ただし、この許可だけでは介護保険請求はできず、利用者は運賃を実費で負担します。介護保険タクシーとして通院等乗降介助を算定し、国保連請求を行うには、法人格を有する事業者が介護保険法に基づく訪問介護事業所指定を取得し、ヘルパー資格者による訪問介護としてケアプランに位置付けられたサービスを提供する必要があります。通院等乗降介助は、令和6年度介護報酬改定後、1回97単位であり、運賃部分は介護報酬とは別に利用者の実費負担となります。

根拠法令(2026年5月時点)

  • 道路運送法第4条第1項(一般旅客自動車運送事業の許可・福祉輸送限定)・第9条(運賃料金の認可・届出)・第15条(事業計画変更認可)・第78条第2号(自家用有償旅客運送の根拠)・第79条(自家用有償旅客運送の登録)
  • 道路運送法施行規則第6条(許可申請手続)・第9条の3(地域公共交通会議)・第51条(運転者要件)
  • 介護保険法第7条第5項(介護支援専門員の定義)・第41条(指定居宅サービス事業者の指定)・第70条第1項(指定の要件、法人要件)・第74条(指定の取消し等)
  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第37号)第5条第2項(訪問介護員等の員数)
  • 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(厚生労働省告示、令和6年度改定で通院等乗降介助99単位→97単位)
  • 令和6年度介護報酬改定:介護職員等処遇改善加算(一本化、令和6年6月施行)・口腔連携強化加算(50単位/回、月1回)・高齢者虐待防止措置未実施減算(所定単位数の1/100、令和6年4月1日施行)・業務継続計画(BCP)未策定減算(訪問系サービスは令和7年4月1日施行)
  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)第29条(指定障害福祉サービス事業者の指定)
  • 障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号)
  • 道路運送車両法・同法施行規則(車両の登録・8ナンバー・福祉車両)
  • 司法書士法第3条第1項第1号(登記申請代理)
  • 税理士法第2条(税務代理)
  • 社労士法第2条第1項各号(労務管理・社会保険手続)
  • 弁護士法第3条(紛争代理)
  • 行政書士法第1条の2第1項(権利義務・事実証明書類の作成)・第1条の3第1項第1号(提出代理)

1. 介護タクシーと介護保険タクシーの違い

1-1. 介護タクシー(一般、道路運送法第4条許可)

  • 根拠法:道路運送法第4条第1項(一般乗用旅客自動車運送事業・福祉輸送限定)
  • 運営主体:法人または個人事業主
  • 利用者負担:運賃メーター料金の全額(実費)
  • 運転者要件:第二種運転免許
  • 福祉輸送サービスでは、ケア輸送サービス従事者研修、ユニバーサルドライバー研修、介助技術研修等の受講が実務上有用
  • 介護保険請求:不可

1-2. 介護保険タクシー(道路運送法第4条許可+訪問介護事業所指定)

  • 根拠法:道路運送法第4条第1項+介護保険法第41条・第70条第1項
  • 運営主体:法人のみ(介護保険法第70条第1項により法人要件)
  • 利用者負担:運賃メーター料金は実費+通院等乗降介助の介護報酬は1〜3割の自己負担(残り7〜9割は国保連経由で事業者に支給)
  • 運転者要件:第二種運転免許+ヘルパー資格(介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員初任者研修修了者等)
  • 介護保険請求:可(通院等乗降介助)

1-3. 福祉有償運送(道路運送法第78条第2号・第79条登録、別名「公共ライドシェア」の一形態)

  • 根拠法:道路運送法第78条第2号・第79条(自家用有償旅客運送の登録)
  • 運営主体:市町村、NPO法人、一般社団法人・一般財団法人、認可地縁団体、農業協同組合、消費生活協同組合、医療法人、社会福祉法人、商工会議所、商工会、労働者協同組合等の非営利団体
  • 利用者負担:運送原価を償う範囲内(タクシー運賃の半額程度〜8割程度が目安、地域公共交通会議等で協議決定。営利目的禁止)
  • 運転者要件(道路運送法施行規則第51条、以下のいずれか):
    • 第二種運転免許
    • 第一種免許+福祉有償運送運転者講習(国土交通大臣認定、1日約12時間)修了
    • 第一種免許+ケア輸送サービス従事者研修修了+介護職員初任者研修等修了
    • 第一種免許+介護福祉士・看護師等の福祉専門資格保有
  • 福祉車両以外(セダン等)で福祉有償運送を行う場合はセダン等運転者講習の追加受講が必要
  • 事前手続:地域公共交通会議または運営協議会(2020年改正後はどちらでも協議可能、道路運送法施行規則第9条の3)で合意形成→運輸支局へ登録申請
  • 対象:要介護・要支援認定者、障害者、その他の移動制約者

2. 訪問介護事業所指定の要件

2-1. 申請主体(法人格必須:介護保険法第70条第1項)

介護保険法第70条第1項により、訪問介護事業所指定の申請者は「法人」であることが必須要件であり、個人事業主では訪問介護事業所指定を取得できません。法人格(株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・NPO法人・社会福祉法人・医療法人等)が必要となります。

  • 道路運送法第4条許可は個人事業主でも取得できる余地がありますが、介護保険法上の訪問介護事業所指定は法人格を前提に申請
  • 定款の事業目的に「介護保険法に基づく訪問介護事業」「障害者総合支援法に基づく重度訪問介護事業」等を明記する必要あり
  • 既存法人の場合は定款変更(株式会社・合同会社は変更登記必要、根拠は会社法第915条第1項)
  • 新規法人設立の場合は法人設立登記後、定款の事業目的に介護事業を明記

2-2. 人員基準

  • 訪問介護員(ホームヘルパー):常勤換算2.5人以上。以下のいずれかの資格者を配置
    • 介護福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法第40条)
    • 実務者研修修了者(平成25年3月31日廃止の介護職員基礎研修修了者を含む、みなし継続)
    • 介護職員初任者研修修了者(平成25年3月31日廃止の旧ホームヘルパー2級を含む、みなし継続)
    • 旧ホームヘルパー1級(みなし継続)
  • ※旧ホームヘルパー2級と介護職員基礎研修修了者は別の資格で、平成25年3月31日に両者とも廃止。それぞれ介護職員初任者研修・実務者研修にみなしされる
  • サービス提供責任者:常勤の訪問介護員等のうちから、利用者数に応じて配置(利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上)。資格要件は、介護福祉士、実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修課程修了者、旧ホームヘルパー1級課程修了者等が中心。初任者研修修了者の取扱い、経過措置、減算の有無は自治体の指定基準・最新通知で確認
  • 管理者:常勤・専従1人(資格要件なし、兼務可)

2-3. 設備基準

  • 事業の運営に必要な広さの専用区画(事務スペース)
  • 必要な設備・備品(電話・FAX・PC・ロッカー・鍵付き書類保管庫等)
  • 利用者面接相談に対応できるスペース(個室不要、パーテーション等で区切られた区画でも可)

2-4. 運営基準

  • 運営規程の策定(事業の目的・運営方針、職員の職種・職務内容、営業日・営業時間、サービス内容、利用料等)
  • 苦情処理体制の整備
  • 事故発生時の対応マニュアル
  • 身分証明書・名札の常時携帯
  • 秘密保持義務・個人情報保護
  • 業務継続計画(BCP)の策定(感染症・自然災害対応):未策定の場合は「業務継続計画未策定減算」(所定単位数の1/100)が適用(訪問系サービスは令和7年4月1日施行、2026年4月時点で既に運用中)
  • 虐待防止委員会の設置:虐待防止措置(委員会開催・指針整備・研修実施・担当者選任)を未実施の場合は「高齢者虐待防止措置未実施減算」(所定単位数の1/100、令和6年4月1日施行)が適用
  • ハラスメント対策
  • 身体的拘束等の適正化(令和6年4月1日施行、訪問系サービスは緊急やむを得ない場合を除き身体的拘束を行わないこととし、行う場合は記録を義務付け)

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3. 通院等乗降介助の介護報酬(令和6年度介護報酬改定後)

3-1. 介護報酬(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)

  • 通院等乗降介助:1回97単位(令和6年4月1日改定、改定前99単位から引き下げ)
  • 1回当たり:乗車前介助+乗車・乗降介助+目的地での降車後介助を一体として算定
  • 地域単価:1単位10円(基本)〜11.40円(1級地・東京都特別区等、訪問介護人件費割合70%適用)、地域区分により970円〜1,106円程度

3-2. 令和6年度改定で新設・改定された主要な加算・減算

  • 介護職員等処遇改善加算(令和6年6月1日施行、一本化):Ⅰ:24.5%・Ⅱ:22.4%・Ⅲ:18.2%・Ⅳ:14.5%。Ⅴは令和7年3月31日まで経過措置
  • 口腔連携強化加算:50単位/回(月1回限度、新設)
  • 高齢者虐待防止措置未実施減算:所定単位数の1/100(令和6年4月1日施行)
  • 業務継続計画(BCP)未策定減算:所定単位数の1/100(訪問系サービスは令和7年4月1日施行)
  • 同一建物減算、夜間・早朝・深夜加算、特定事業所加算、サービス提供体制加算等の従来の加算・減算

運賃部分(メーター料金)は介護報酬とは別に実費利用者負担(利用者の自己負担)。

3-3. 通院等乗降介助の対象

通院等乗降介助は、通院、官公署での手続、日常生活上必要な外出等で、居宅サービス計画に位置付けられ、訪問介護として乗車前後・乗降時の介助が必要と認められる場合に算定を検討します。買い物・公的手続等については、保険者・ケアマネジャーと対象範囲を確認します。

対象外となるケース(個別判断)

  • 家族が付き添う場合:単に家族が同乗するかどうかだけでなく、利用者の心身状況、家族の介助能力、乗降介助の必要性、ケアプラン上の位置付けにより判断が分かれます。訪問介護としての通院等乗降介助が必要かをケアマネジャー・保険者と確認
  • 遊興・旅行目的の外出(日常生活上の必要性なし)

4. ケアマネジャー(介護支援専門員)連携が事業の生命線

介護保険タクシーの利用は、ケアマネジャー(法律上の正式名称は「介護支援専門員」、介護保険法第7条第5項)が作成する居宅サービス計画(ケアプラン)に通院等乗降介助の利用が記載されることで成立します。

4-1. ケアマネ連携の実務

  • 居宅介護支援事業所への営業活動(地域内のケアマネネットワーク構築)
  • サービス担当者会議への参加
  • サービス提供記録・モニタリングシートの定期報告
  • ケアプラン変更時の対応
  • 利用者・家族との連絡調整

4-2. ケアプランへの記載

通院等乗降介助の利用は、ケアプラン第2表(援助計画)・第3表(週間サービス計画)に明示的に記載される必要があります。記載がないサービスは介護報酬の対象外。

5. 国保連請求の流れ

国保連請求は、原則としてサービス提供月の翌月10日までに請求データを送信し、審査後、翌々月下旬頃に支払われるのが一般的です。ただし、国保連・自治体・金融機関・返戻・過誤処理の有無により支払時期は変わります。

  1. サービス提供(通院等乗降介助)
  2. サービス提供記録の作成
  3. 毎月10日までに国保連へ請求データ送信(電子請求が原則)
  4. 国保連が審査・査定
  5. 翌々月下旬頃:事業者口座へ振込(国保連経由)
  6. 利用者負担(1〜3割)は事業者が利用者から直接徴収

6. 障害福祉サービス指定の併設

介護保険対象外の障害者(要介護認定なしの方等)を対象とする場合、障害者総合支援法第29条に基づく指定障害福祉サービス事業者の指定を併設することで、障害福祉サービスの請求が可能となります。

障害福祉サービスは、障害者総合支援法に基づく支給決定を受けた障害者等を対象とします。介護保険対象者については介護保険優先の原則がありますが、サービス内容や市町村判断により障害福祉サービスとの併給・上乗せ・移動支援が問題となる場合があります。年齢だけで一律に区分せず、支給決定・市町村運用を確認します。

主な障害福祉サービス(通院・外出支援関係)

  • 居宅介護:通院等介助・通院等乗降介助等
  • 重度訪問介護:重度の肢体不自由者・知的障害者・精神障害者への日常生活支援(移動支援を含む)
  • 同行援護:視覚障害者への外出時の同行・移動支援
  • 行動援護:知的障害・精神障害により行動に著しい困難がある者への外出時の援護
  • 移動支援事業(市町村事業):地域生活支援事業として実施、市町村ごとに要件・報酬が異なる(指定障害福祉サービスとは手続体系が異なる)

障害福祉サービス指定としては、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護等を検討します。対象者、支給決定、報酬区分、院内介助の取扱い、市町村運用が異なるため、サービスごとに確認します。

7. 介護保険・障害福祉指定併設のメリット・デメリット

メリット

  • 介護報酬・障害福祉報酬の国保連請求による安定収入
  • ケアマネジャー・相談支援専門員ネットワークによる利用者の継続的紹介
  • 事業の社会的信用向上
  • 他の介護・障害サービス(訪問介護・居宅介護・重度訪問介護等)への事業拡張

デメリット

  • 法人設立・指定申請に時間・費用がかかる(標準処理期間2〜3か月)
  • ヘルパー資格者の確保・人件費負担
  • 国保連請求・実績管理の事務負担
  • 運営基準遵守の継続的負担(指導監査・実地指導対応)
  • 令和6年度改定後の各種加算・減算対応

8. 業務範囲の整理

行政書士の業務範囲(行政書士法第1条の2第1項:権利義務・事実証明書類の作成、第1条の3第1項第1号:提出代理)

  • 道路運送法第4条許可申請(一般乗用旅客自動車運送事業・福祉輸送限定)
  • 訪問介護事業所指定申請(介護保険法第41条・第70条)
  • 障害福祉サービス指定申請(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護等)
  • NPO法人設立認証申請、株式会社・合同会社・一般社団法人等の定款案・事業目的案の作成支援、介護・障害福祉事業に合わせた定款目的の整備
  • 運営規程・重要事項説明書・契約書(介護保険・障害福祉)の作成
  • 各種変更届出(事業所変更・人員変更・運営規程変更等)

※株式会社・合同会社・一般社団法人等の設立登記・変更登記は司法書士業務です。社会福祉法人の設立は所轄庁認可、基本財産、事業計画、役員体制等の要件が厳格であるため、所轄庁・専門家と個別に確認します。

業務範囲外(連携先専門家)

  • 法人設立登記・変更登記(司法書士法第3条第1項第1号、司法書士業務)
  • 介護報酬・障害福祉報酬の国保連請求業務(事業所内部または専門代行業者)
  • 会計帳簿・税務申告(税理士法第2条、税理士業務)
  • 雇用契約書、就業規則、36協定、変形労働時間制、労働保険・社会保険手続、処遇改善加算に伴う賃金改善計画、労務管理上の相談は社会保険労務士と連携(社労士法第2条第1項各号)
  • 介護報酬請求過誤・指導監査・行政処分対応の代理(弁護士法第3条、弁護士業務)

FAQ|よくあるご質問

Q1. 介護タクシーの個人事業主ですが、介護保険指定は取れますか?
A. 介護保険法第70条第1項により訪問介護事業所指定の申請者は「法人」であることが必須要件であるため、個人事業主のままでは介護保険指定を取得できません。介護保険タクシー(通院等乗降介助の介護報酬請求)を行うには、株式会社・合同会社・NPO法人等の法人を新規設立または既存法人を活用する必要があります。法人設立後、定款の事業目的に「介護保険法に基づく訪問介護事業」を明記して、訪問介護事業所指定を申請します。

Q2. 標準処理期間はどのくらいですか?
A. 訪問介護事業所指定の標準処理期間は、申請月の翌々月1日付指定(つまり申請から指定まで約2か月)が一般的です。事前協議・書類準備に1〜2か月を見込み、申請後の補正対応・現地確認等を含め、開業希望時期の3〜4か月前から準備開始することが推奨されます。

Q3. ヘルパー資格はどの資格が必要ですか?
A. 訪問介護員として通院等乗降介助を提供するには、以下のヘルパー資格のいずれかが必要です:介護福祉士、実務者研修修了者(または旧介護職員基礎研修修了者、みなし継続)、介護職員初任者研修修了者(または旧ホームヘルパー1級・2級、みなし継続)。第二種運転免許に加えて、これらのヘルパー資格を有する運転者を確保するか、運転者と介助者(ヘルパー資格者)を別に配置する体制を構築します。なお、介護タクシー(一般)のみの場合はヘルパー資格は必須ではありませんが、ケア輸送サービス従事者研修の修了が推奨されます。

Q4. 介護保険と障害福祉の両方の指定を取るメリットはありますか?
A. メリットは大きいです。介護保険対象者(要介護1〜5)と障害者(障害支援区分1〜6)の両方を対象とできるため、利用者層が大幅に広がります。また、ケアマネジャー(介護保険)と相談支援専門員(障害福祉)の両方のネットワークから継続的な利用者紹介を受けられます。ただし、人員配置・運営基準の充実・記録管理・国保連請求の事務負担も大きくなるため、事業計画と実施体制を踏まえて判断します。

Q5. 介護報酬の1回97単位は実際にいくらですか?
A. 介護報酬の単価は1単位あたり10円が基本ですが、地域単価(地域区分1〜7級地と「その他」の8区分)とサービス種類別の換算率により実際の単価は10円〜11.40円の範囲で変動します。例えば1級地(東京都特別区等)の訪問介護は1単位11.40円、2級地(大阪市等)は11.12円、その他の地域は地域区分により異なります。令和6年度介護報酬改定(2024年4月1日施行)により通院等乗降介助は99単位から97単位に引き下げられたため、現行の支給額は:97単位×10円(その他地域)=970円、97単位×11.40円(1級地・東京都特別区)=1,106円、地域単価により970円〜1,106円程度が国保連経由で支給されます。このうち利用者負担(1〜3割)は利用者の自己負担、残り7〜9割は国保連経由で事業者に支給されます。

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まとめ

介護タクシーで介護保険適用のサービスを提供するには、道路運送法第4条許可(一般乗用旅客自動車運送事業・福祉輸送限定)に加え、介護保険法第41条・第70条第1項に基づく訪問介護事業所指定が必須です。訪問介護事業所指定は法人格を有する事業者のみ取得可能で、個人事業主は取得できません。介護保険指定併設により、通院等乗降介助の介護報酬(令和6年度介護報酬改定後:1回97単位)を国保連に請求でき、利用者は自己負担1〜3割で利用可能となります。

訪問介護事業所指定の主な要件は、(1)法人格、(2)ヘルパー資格者(介護福祉士・実務者研修・初任者研修等)の常勤換算2.5人以上の配置、(3)サービス提供責任者の配置、(4)事業の運営に必要な設備・運営規程・苦情処理体制、(5)令和6年度改定対応の業務継続計画(BCP)策定・虐待防止措置・身体的拘束等適正化です。BCP未策定・虐待防止措置未実施は所定単位数の1/100の減算対象(2026年4月時点で運用中)となります。

介護報酬の中心は通院等乗降介助(令和6年度介護報酬改定後:1回97単位、改定前99単位から引き下げ)。算定要件として要介護1〜5の認定、ケアマネジャー(介護支援専門員、介護保険法第7条第5項)が作成する居宅サービス計画(ケアプラン)への記載、サービス提供記録の管理、ケアマネ連携(サービス担当者会議への参加等)が必須です。地域単価により970円〜1,106円程度(利用者負担1〜3割、残り7〜9割は国保連経由で事業者に支給)。

令和6年度介護報酬改定では、介護職員等処遇改善加算が一本化(Ⅰ:24.5%・Ⅱ:22.4%・Ⅲ:18.2%・Ⅳ:14.5%、令和6年6月施行)され、口腔連携強化加算(50単位/回)が新設されました。これらの加算取得には賃金改善計画の策定・体制整備が必要で、社会保険労務士との連携が重要です。

障害福祉指定(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護等)の併設により、要介護認定対象外の障害者にもサービス提供が可能となり、事業規模・利用者層を拡大できます。当事務所では訪問介護事業所指定申請・障害福祉サービス指定申請・道路運送法第4条許可申請・法人設立支援(定款案・事業目的整備)を行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。介護保険タクシー・障害福祉タクシーの開業をご検討中の事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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