公開日:2026年5月21日
自動車運転代行業は、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(運転代行業法・平成13年法律第57号)に基づき、顧客の車両を顧客に代わって運転して目的地まで送り届ける業務を行う事業です。飲酒運転防止の社会的要請から発達した業態で、開業には都道府県公安委員会の認定が必要です。本記事では、運転代行業の認定要件、二種免許保有者の配置、損害賠償措置(自動車保険)、随伴用自動車(緑ナンバー)の整備、料金表示・約款、認定後の運営実務を、運転代行業法の現行運用に基づき整理します。
本記事の結論
- 自動車運転代行業は運転代行業法第4条に基づく都道府県公安委員会の認定が必要。許可ではなく認定制度で、要件を満たせば認定される。認定なく運転代行業を営むと運転代行業法違反(2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)。
- 運転者要件:顧客車両の運転者は第二種運転免許(道路交通法第86条)。随伴用自動車(運転代行業者の車両)の運転者は第一種運転免許で可。
- 損害賠償措置:顧客車両運転中の事故に備えて、対人保険1人当たり8,000万円以上、対物保険1件当たり200万円以上、車両保険1件当たり200万円以上等の任意保険・共済加入が必須(運転代行業法施行規則)。
- 当所は運転代行業認定申請の書類作成・都道府県公安委員会への提出代理、随伴用自動車の登録、料金表示・運転代行業約款の作成、変更届・廃止届の手続を行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。
自動車運転代行業の認定申請・開業サポート
自動車運転代行業の認定申請書類作成・都道府県公安委員会への提出代理、随伴用自動車の登録、料金表示・運転代行業約款の作成、認定後の変更届・廃止届の手続を、行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。
目次
根拠法令・制度
- 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(運転代行業法・平成13年法律第57号)第4条(認定)・第5条(欠格事由)・第7条(変更届)・第8条(料金等の掲示)・第9条(運転代行業約款)・第10条(業務の適正化)・第13条(随伴用自動車)・第22条(罰則:2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)
- 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行令
- 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行規則(損害賠償措置・約款等)
- 道路交通法第86条(第二種運転免許)
- 道路運送車両法(随伴用自動車の登録)
- 行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号
運転代行業は飲酒運転防止の社会的要請から発達した業態
運転代行業は、飲酒等で運転できない顧客の車両を、運転代行業者の運転者が顧客の代わりに運転して目的地まで送り届ける業務です。タクシーとは異なり、顧客自身の車両を運転する点が特徴で、随伴用自動車(運転代行業者の車両)が後ろから追走する形で運営されます。飲酒運転防止の社会的要請から法律が整備され、無資格営業による事故・トラブルの防止のため、都道府県公安委員会の認定制度となっています。
1. 運転代行業の業務内容
- 顧客車両の運転:顧客の自家用車を、顧客に代わって運転代行業者の運転者が運転(第二種免許保有者)
- 随伴用自動車の運転:運転代行業者の車両(随伴用自動車)で運転者を顧客車両の元へ送迎、業務終了後の運転者の回収
- 主たる利用シーン:飲酒後の帰宅、深夜帯の運転代行、長距離移動の運転疲労時等
2. 認定要件(運転代行業法第4条・第5条)
2-1. 人的要件(欠格事由)
以下のいずれかに該当する場合は認定を受けられません。
- 成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
- 禁錮以上の刑(2025年6月1日施行の改正刑法により拘禁刑に統一)に処せられ、刑の執行終了から2年経過しない者
- 運転代行業法・道路交通法等の関連法令違反による罰金以上の刑に処せられ、刑の執行終了から2年経過しない者
- 運転代行業の認定取消から2年経過しない者
- 暴力団員等または暴力団員等がその事業活動を支配する者
- 法人の役員に欠格事由該当者がいる場合
2-2. 物的要件
- 営業所:事業の運営を行うために必要な場所の確保
- 第二種運転免許保有者:顧客車両の運転者として第二種免許保有者の確保
- 随伴用自動車:1台以上の随伴用自動車の確保(緑ナンバー=事業用自動車として登録)
- 損害賠償措置:所定額以上の任意保険・共済加入
2-3. 損害賠償措置(運転代行業法施行規則)
- 対人保険:1人当たり8,000万円以上
- 対物保険:1件当たり200万円以上
- 車両保険:1件当たり200万円以上(顧客車両用)
- 運転代行業共済への加入も認められる
3. 運転者要件
3-1. 顧客車両の運転者(第二種免許)
顧客車両を運転する運転者は、第二種運転免許(道路交通法第86条)の保有が必須です。普通自動車第二種免許または大型自動車第二種免許等、運転する車両の種類に対応した第二種免許が必要です。第二種免許の取得要件は、21歳以上、第一種免許取得後3年以上の運転経験等です。
3-2. 随伴用自動車の運転者(第一種免許)
随伴用自動車(運転代行業者の車両)を運転する運転者は、第一種運転免許で可能です。第二種免許は不要です。
4. 認定申請の流れと標準処理期間
- 事前相談(都道府県公安委員会・警察本部)
- 第二種免許保有者の確保・随伴用自動車の準備
- 損害賠償措置(任意保険・共済)の加入
- 営業所・料金表・運転代行業約款の整備
- 認定申請書類の作成
- 都道府県公安委員会への申請
- 認定通知書の受領
- 営業開始
標準処理期間:申請から認定まで2〜3か月。事前準備(第二種免許保有者の確保・任意保険加入・営業所準備等)を含めて4〜6か月を見込みます。
5. 認定後の運営実務
5-1. 料金表示・運転代行業約款(運転代行業法第8条・第9条)
- 料金表を営業所・随伴用自動車内に掲示
- 運転代行業約款の作成・営業所掲示・公安委員会への届出
- 料金の算定方法:時間制・距離制・基本料金+加算
5-2. 随伴用自動車の表示
- 随伴用自動車には認定番号、運転代行業者名、随伴用自動車の旨を表示
- 緑ナンバー(事業用自動車)として登録
5-3. 業務の適正化(運転代行業法第10条)
- 運転者の健康管理・点呼の実施
- 運転日報の作成・保管
- 事故時の対応マニュアル整備
- 顧客とのトラブル時の対応
5-4. 変更届(運転代行業法第7条)
- 営業所所在地の変更
- 法人役員の変更
- 第二種免許保有者の追加・退職
- 随伴用自動車の追加・廃止
- 事業者名・代表者氏名の変更
6. 業務範囲の整理
6-1. 行政書士業務
- 運転代行業認定申請書類の作成・都道府県公安委員会への提出代理(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)
- 運転代行業約款・料金表の作成
- 随伴用自動車の事業用登録(緑ナンバー)に伴う申請
- 変更届・廃止届の作成・提出代理
- 運転日報・点呼記録テンプレートの整備
- 事故対応マニュアル・顧客苦情処理マニュアルの整備
6-2. 業務範囲外
- 第二種運転免許の取得(本人受験)
- 会社設立登記(司法書士業務)
- 税務申告(税理士業務)
- 労務管理規程・社会保険手続(社会保険労務士業務)
- 事故被害者との損害賠償交渉(弁護士業務)
自動車運転代行業の認定申請・開業サポート
自動車運転代行業の認定申請書類作成・都道府県公安委員会への提出代理、運転代行業約款・料金表の作成、随伴用自動車の事業用登録に伴う申請、変更届・廃止届の作成・提出代理、運転日報・点呼記録テンプレートの整備を、行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。
FAQ|よくあるご質問
Q1. 運転代行業はタクシーと何が違いますか?
A. 運転代行業は顧客の車両を運転する業務で、タクシーは事業者の車両に顧客を乗せて運送する業務です。運転代行業は顧客車両の運転に第二種免許が必要、随伴用自動車は第一種免許で可。タクシーは事業者車両の運転にすべて第二種免許が必要です。
Q2. 第二種免許保有者は何人必要ですか?
A. 法定の最低人数はありませんが、運営規模に応じて常勤・非常勤の第二種免許保有者を確保します。1台運営でも複数の運転者を交代で配置することが多いです。
Q3. 随伴用自動車は何台必要ですか?
A. 最低1台必要です。運営規模に応じて複数台を保有します。随伴用自動車は緑ナンバー(事業用自動車)として登録します。
Q4. 認定申請から認定までどのくらいかかりますか?
A. 標準処理期間は2〜3か月。事前準備(第二種免許保有者の確保・任意保険加入・営業所準備・約款作成等)を含めると4〜6か月を見込みます。
Q5. 損害賠償措置はどのような保険に加入すればよいですか?
A. 対人8,000万円以上・対物200万円以上・車両200万円以上の任意保険または運転代行業共済に加入します。各損害保険会社が運転代行業者向けの専用保険プランを用意しているため、複数社で見積りを取って比較します。
Q6. 顧客車両で事故を起こした場合の責任は?
A. 運転代行業者の運転者が顧客車両を運転中に事故を起こした場合、運転代行業者が損害賠償責任を負います。法定の損害賠償措置(対人8,000万円以上・対物200万円以上・車両200万円以上)の保険でカバーしますが、運営上は対人・対物無制限の任意保険加入が推奨されます。
Q7. 営業区域はありますか?
A. 運転代行業はタクシーと異なり、明確な営業区域の概念はありません。認定を受けた都道府県内・他都道府県とも、業務として運転代行を行うことが可能です。ただし、長距離運転代行の場合は運転者の労働時間・疲労管理に注意します。
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まとめ
自動車運転代行業は、運転代行業法(平成13年法律第57号)第4条に基づく都道府県公安委員会の認定が必要な事業です。認定なく営むと運転代行業法違反(2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)の対象となります。
認定要件は人的要件(欠格事由不該当)・物的要件(営業所・第二種免許保有者・随伴用自動車・損害賠償措置)の充足です。顧客車両の運転者は第二種運転免許(道路交通法第86条)、随伴用自動車の運転者は第一種運転免許で可。損害賠償措置として対人8,000万円以上・対物200万円以上・車両200万円以上の任意保険・共済加入が必須です。
認定申請から認定まで標準処理期間2〜3か月、事前準備を含めて4〜6か月を見込みます。認定後は、料金表示・運転代行業約款の整備(運転代行業法第8条・第9条)、随伴用自動車の表示・緑ナンバー登録、業務の適正化(運転代行業法第10条)として運転者の健康管理・点呼・運転日報・事故対応マニュアル整備、変更届(同法第7条)の継続的な手続が必要です。
運転代行業は飲酒運転防止の社会的要請から発達した業態で、深夜帯の運営が中心となります。タクシー業との違いとして、顧客車両を運転する点・随伴用自動車が必要な点が特徴です。営業区域の概念はなく、認定を受けた都道府県を超えた業務も可能ですが、運転者の労働時間・疲労管理に注意が必要です。
当所は運転代行業認定申請書類の作成・都道府県公安委員会への提出代理、運転代行業約款・料金表の作成、随伴用自動車の事業用登録に伴う申請、変更届・廃止届の作成・提出代理、運転日報・点呼記録・事故対応マニュアルの整備を、行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


